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HEALTH WORDS / 用語解説

ベックウィズ・ヴィーデマン症候群

Beckwith-Wiedemann syndrome

ベックウィズ・ヴィーデマン症候群とは、過成長、臍帯ヘルニアや臍ヘルニアなどの腹壁異常、巨舌を三主徴とする先天性の疾患であり、エピジェネティック異常や遺伝子変異によって引き起こされる遺伝性疾患の一つである。1 2

本症候群の原因としては、ヒトの11番染色体短腕(11p15.5)に存在するインプリンティング領域の異常が深く関与している。1 この領域には胎児の成長を促進あるいは抑制する複数の遺伝子が局在しており、DNAのメチル化異常や片親性ダイソミー、あるいは同領域の微細な欠失や変異が生じることで、遺伝子発現のバランスが崩れ、諸症状が発現すると考えられている。2

臨床的な特徴としては、出生前および出生後の著しい過成長が挙げられ、同年齢の小児と比較して身長や体重が大きくなる傾向がある。1 また、新生児期には低血糖を高頻度で合併することが知られており、これはインスリン過剰分泌に起因するため、早期の血糖値管理が極めて重要となる。2

その他の主な身体的特徴として、舌が通常よりも大きくなる巨舌、腹壁の筋肉や組織の閉鎖不全による臍帯ヘルニアや臍ヘルニア、白血球の増加や腎臓の肥大などの内臓肥大が認められる。1 さらに、耳たぶの裏側に見られる線状のくぼみ(耳垂溝)や、耳介の円すい状のへこみ(耳介陥凹)といった特徴的な微小奇形が観察されることも診断の手がかりとなる。2

ベックウィズ・ヴィーデマン症候群の患者は、小児期において特定の悪性腫瘍を発症するリスクが健常児と比較して高いことが知られている。1 具体的には、ウィルムス腫瘍(腎芽腫)、肝芽腫、横紋筋肉腫、副腎の神経芽腫などの腫瘍の発生が懸念されるため、定期的な超音波検査(エコー検査)などの画像診断や腫瘍マーカーの血液検査によるスクリーニングが長期間にわたって継続的に実施される。2

診断にあたっては、上述した臨床症状のスコアリングや、遺伝学的検査による11p15.5領域のエピジェネティック・遺伝子異常の検出が行われる。1 治療および管理は対症療法が中心となり、低血糖に対する内科的治療、巨舌による気道閉塞や哺乳障害、咬合異常に対する外科的治療や矯正治療、腹壁異常に対する外科手術など、多職種によるチーム医療が展開される。2

参考文献・出典

  1. 小児慢性特定疾病情報センター: https://www.shouman.jp/disease/details/08_02_017/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
  2. 難病情報センター: https://www.nanbyo.or.jp/wp-content/uploads/upload_files/be_bekkuwizu.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6