HEALTH WORDS / 用語解説
モッコウ
モッコウ(木香、Mokkou)とは、キク科の多年草であるオオバモッコウ(*Saussurea lappa*、シノニム:*Aucklandia lappa* または *Costus root*)などの根を基原とする生薬であり、伝統医学において健胃、理気、止痛などの効能を期待して用いられる植物由来の医薬品原料である。1
日本薬局方には「モッコウ」が収載されており、通常はオオバモッコウの根をそのまま、あるいは乾燥させたものが生薬として定義されている。1
東洋医学や漢方薬の分野において、モッコウは芳香性の健胃薬として位置づけられており、胃腸の機能低下や腹痛、膨満感、消化不良などの症状を改善する漢方処方に配合されることが多い。2
モッコウの特有の香りや薬理作用の主体としては、精油成分やセスキテルペンラクトン類などの有効成分が含まれていることが知られており、これらが消化管の運動調整や鎮痙、抗炎症などの作用を発揮すると考えられている。3
学術的な研究および薬理学的な実験においては、モッコウに含まれる成分が消化液の分泌を促進する効果や、腸管の平滑筋に対する調整作用を持つことが報告されており、現代医学的にもその消化器系に対する作用機序の解明が進められている。2
臨床の現場や薬局などで調剤される医療用漢方製剤および一般用医薬品の中には、胃腸障害やストレスに起因する腹部症状を緩和する目的でモッコウを構成生薬として含むものが複数存在し、現代の医療においても一定の役割を担っている。2
ただし、モッコウを使用する際にはアレルギー反応や体質による副作用に注意する必要があり、専門家である医師や薬剤師の指導のもとで適切に服用することが求められる生薬の一つである。3
参考文献・出典
- 日本薬局方モッコウ: https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000567702.pdf ↩1 ↩2
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 漢方処方モッコウ配合製剤解説: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/ ↩1 ↩2 ↩3
- 厚生労働省 統合医療情報発信サイト 生薬関連情報: https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/souran/index.html ↩1 ↩2