HEALTH WORDS / 用語解説
リュウノヒゲ
Ophiopogon japonicus
リュウノヒゲとは、キジカクシ科(またはユリ科)スズラン亜科ジャノヒゲ属に分類される常緑性の多年草であり、日本の本州から琉球、さらには東アジアの森林の木陰などに広く自生する植物である。1
地表を這うように地下茎を伸ばして群落を形成し、密なマット状の緑化地を作り出す性質を持つことから、公園や庭園におけるグランドカバーや法面の緑化素材として極めて広く利用されている。2
葉は線形で細長く、革質で光沢があり、濃い緑色を呈しているのが特徴であり、これが竜の髭を連想させることから和名の由来となっている。1
初夏から盛夏にかけては、葉の間に総状花序を出し、白または淡い紫色を帯びた小型の花をひそやかに咲かせる。2
花後には子房上位または子房下位の特性を経て、鮮やかな青色(あるいは藍色)に熟する球形の液果(種子)を形成する。1
この青い果実に見える部分は、種子の種皮が肥大化したものであり、裸子植物の胚珠が心皮に包まれている被子植物としては珍しい特徴的な構造を持っている。2
薬用植物としても知られており、乾燥させた塊根(根の肥大した部分)は麦門冬(バクモンドウ)と呼ばれ、古くから重要な生薬として扱われてきた。3
漢方薬の処方においては、肺を潤し、咳を鎮め、痰を取り除く鎮咳・去痰作用や、滋養強壮、口渇を改善する目的で麦門冬湯などの主要な方剤に配合されている。3
現代の薬理学的な研究においても、麦門冬に含まれるサポニンや多糖類などの成分が、抗炎症作用や免疫調節作用を示すことが報告されている。3
耐陰性や耐乾燥性、耐寒性が非常に高く、日陰や乾燥した土壌といった環境悪化のストレスフルな場所でも旺盛に生育することができるため、造園や都市緑化の分野において不可欠な植物素材の一つとなっている。2