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HEALTH WORDS / 用語解説

ワクチンの接種

Vaccination

ワクチンの接種とは、抗原を含むワクチンを生体に投与することによって、当該感染症に対する免疫を獲得させる医療行為である。1 人々の健康を守り、集団免疫を形成することで感染症の流行を防ぐ極めて重要な公衆衛生上の手段と位置づけられている。2

ワクチンの接種の主要な目的は、特定の病原体(ウイルスや細菌など)に対して免疫系をあらかじめ刺激し、将来その病原体に自然感染した際の発症や重症化を防ぐことにある。3 ワクチンに含まれる抗原は、病原体としての毒性を弱めたり(弱毒生ワクチン)無毒化したり(不活化ワクチン)、あるいは病原体の一部を遺伝子工学的に合成したりして作製される。4 これらを生体に投与すると、T細胞やB細胞などの免疫細胞が抗原を認識し、抗体の産生や記憶細胞の形成が誘導される。5

ワクチンの接種方法は、病原体の種類やワクチンの特性に応じて多岐にわたる。3 一般的な方法としては、筋肉内注射、皮下注射、皮内注射などの注射による投与のほか、鼻腔内噴霧などの経鼻投与、あるいは経口投与が採用される場合もある。6 また、免疫を十分に維持・獲得させるために、初回接種の後に一定の間隔を空けて複数回の追加接種(ブースター接種)を行うことが計画されることが多い。3

ワクチンの接種によって誘導された免疫応答は、個人の発症予防だけでなく、社会全体における感染症の伝播リスクを低減させる。2 多くの人々がワクチンを接種して免疫を持つことにより、感染症が広がりりにくい環境が作られ、乳幼児や高齢者、あるいは基礎疾患を有するなど様々な理由でワクチンを接種できない人々をも守る集団免疫が達成される。3

一方で、ワクチンの接種には副反応のリスクが伴う。7 接種部位の疼痛、発赤、腫脹といった局所症状や、発熱、倦怠感、頭痛などの全身症状が一時的に現れることが一般的である。8 これらは免疫系が活性化される過程で生じる生理的な反応の側面が大きいが、まれにアナフィラキシーなどの重篤なアレルギー反応や、想定された副反応が起こる可能性があるため、医療機関等での適切な問診や観察が義務付けられている。7 国や公的機関は、有効性と安全性に関する科学的知見に基づき、定期接種や臨時接種として対象疾患や接種スケジュールを定め、国民の健康管理と感染症対策を推進している。2

参考文献・出典

  1. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/index.html ↩
  2. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/vaccine-j.html ↩1 ↩2 ↩3
  3. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/vaccine/index.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  4. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/idsc.html ↩
  5. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/basic-science/528-virology/2358-QA-vaccine-c.html ↩
  6. 国立感染症研究所: https://idsc.niid.go.jp/index-j.html ↩
  7. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/wakutin_kaisetsu.html ↩1 ↩2
  8. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/vaccine-j/2527-ens-qa.html ↩