HEALTH WORDS / 用語解説
アレルギー反応
Allergic reaction
アレルギー反応とは、免疫系が特定の無害な抗原(アレルゲン)に対して過剰または異常な反応を引き起こす現象のことである。1
通常、私たちの身体は免疫系の働きによってウイルスや細菌などの病原体から身を守っている。2
しかし、アレルギー体質を持つ個人においては、花粉、食物、ダニ、薬剤などの本来は生命を脅かさない抗原が体内に入り込んだ際、免疫細胞がこれを有害な異物と誤認して過剰に反応してしまう。1
この過剰な免疫応答は、臨床医学および免疫学の分野においてイギリスの免疫学者であるフィールズやクームズらによって提唱された分類法に基づき、生体内での反応機序や関与する分子・細胞の種類に応じてI型アレルギーからIV型アレルギーまでの4つの型に大別される。2
I型アレルギーは即時型アレルギーとも呼ばれ、B細胞の一種から産生されたIgE抗体がマスト細胞や好塩基球の表面に結合している状態のところに再びアレルゲンが侵入することで引き起こされる。1
抗原と抗体が結合すると、マスト細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が急速に脱顆粒を介して放出され、血管透過性の亢進、平滑筋の収縮、粘液分泌の促進などが生じる。2
このI型アレルギーの代表的な臨床疾患としては、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、じんましん、そして血圧低下や意識障害を伴う全身性の重篤なアナフィラキシーなどが挙げられる。1
II型アレルギーは細胞障害型アレルギーと呼ばれ、IgG抗体またはIgM抗体が標的細胞の表面に存在する抗原に結合し、補体系の活性化や食細胞を介した細胞溶解や細胞障害を引き起こす機序をとる。2
II型アレルギーの具体例には、自己免疫性溶血性貧血や不適合輸血時の副作用などが含まれる。2
III型アレルギーは免疫複合体型アレルギーと呼ばれ、抗原と抗体が結合してできた免疫複合体が血管壁や組織に沈着し、それに伴う補体系の活性化や好中球の遊走・活性化によって炎症反応や組織障害を引き起こす現象である。2
III型アレルギーの代表的な病態としては、血清病や急性糸球体腎炎などが知られている。2
IV型アレルギーは遅延型アレルギーまたは細胞性免疫とも称され、抗体を介さずに感作T細胞が直接アレルゲンに反応するか、あるいはマクロファージなどの免疫細胞を活性化して数日から数日後に組織障害を惹起する仕組みをもつ。2
IV型アレルギーの典型的な臨床例には、ツベルクリン反応における皮膚反応や、金属やウルシなどのハプテンが原因で生じる接触皮膚炎がある。1
アレルギー反応の診断においては、問診に加えて、原因となるアレルゲンを特定するために皮膚テスト、皮内反応、血清特異的IgE抗体検査などが実施される。2
治療および予防医学的対策としては、原因アレルゲンの環境整備的な回避と除去が基本となり、症状を緩和するために抗ヒスタミン薬、ステロイド薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬などの薬物療法が適宜選択される。1