HEALTH WORDS / 用語解説
免疫介在性血小板減少症
Immune-mediated thrombocytopenia
免疫介在性血小板減少症とは、免疫システムの異常によって血小板に対する自己抗体が産生され、脾臓などの単球マクロファージ系細胞を介して血小板が過剰に破壊されることで、末梢血中の血小板数が減少する疾患の総称である。1
本症は、明確な基礎疾患や原因が特定されない一次性と、他の免疫異常や感染症、腫瘍、薬剤投与などに伴って二次的に発症するものに大別される。2
病態生理学的には、B細胞から産生された自己抗体が血小板の膜蛋白(糖蛋白IIb/IIIaやIbaなど)のエピトープに結合し、オプソニン化を引き起こすことで、主に網内系における食細胞によって血小板が早期に破壊および貪食される。1
また、自己抗体の結合は血小板の骨髄における産生や巨核球の分化増殖にも悪影響を及ぼし、血小板の生産低下が並行して生じる場合もあることが知られている。2
臨床症状としては、血小板減少の程度に応じて様々な出血傾向が認められ、皮膚や粘膜における点状出血、紫斑、斑状出血のほか、鼻出血、血尿、血便、口腔粘膜からの出血などが現れる。1
重症化した場合には、脳出血や消化管出血といった生命を脅かす重篤な出血合併症を引き起こすリスクがあるため、迅速な診断と治療介入が極めて重要となる。2
診断においては、詳細な血液学検査による血小板数の著しい減少の確認に加え、白血球系や赤血球系など他の血球成分に異常がないかを評価し、再生不良性貧血や白血病などの他の造血器疾患を除外することが基本となる。1
さらに、末梢血塗抹標本の鏡検を行って血小板の大きさや凝集の有無を確認するとともに、骨髄検査を実施して巨核球の数や形態を評価し、血小板の生産能が保たれているかあるいは代償性反応が生じているかを調べる。2
治療方針としては、過剰な免疫応答や自己抗体の産生、および血小板の破壊を抑制することを目的として、副腎皮質ステロイド薬などの免疫抑制薬が第一選択として用いられる。1
ステロイド単独では十分な緩解が得られない場合や、副作用の軽減を図る必要がある場合には、他の免疫抑制剤の併用や、免疫グロブリン大量療法、脾臓摘出術などが検討されることがある。2