HEALTH WORDS / 用語解説
培養基
Culture medium
培養基とは、細菌、真菌、ウイルス、細胞、組織などの微生物や細胞を人工的に増殖・維持させるために用いる栄養素の混合物である。1
培養基は一般に培地とも呼ばれ、生物の生育に必要な炭素源、窒素源、無機塩類、ビタミンなどの栄養物質を含んでいる。2
培養基の性状による分類としては、液体培養基と固体培養基に大別される。1
液体培養基は栄養成分を水などの溶媒に溶解させたものであり、微生物の大量培養や増殖速度の測定、生化学的性質の検討などに広く用いられる。1
一方、固体培養基は液体培養基に寒天などの凝固剤を加えて固形化したものであり、主として細菌の分離培養、純粋培養、コロニーの観察、あるいは菌株の保存などを目的として使用される。1
また、培養基はその化学組成や用途によっても細かく分類される。
天然培養基は、肉エキス、ペプトン、酵母エキスなどの動植物由来の複雑な天然物を主成分としており、多くの従属栄養生物の生育に適している。2
これに対し、合成培養基は化学構造が完全に明らかにされている化学物質のみを正確な量で配合して作製されるものであり、代謝実験や栄養要求性の試験など、厳密な条件制御が求められる研究において不可欠である。2
さらに、特定の微生物を効率よく選択的に分離・増殖させるための選択培養基や、代謝産物による化学反応を利用して菌種を鑑別するための鑑別培養基など、目的に応じて多様な培養基が設計・調製される。1
医学や生物学の分野において、適切な培養基の選択と調製は、感染症の病原体検査、新薬のスクリーニング、遺伝子組み換え技術を用いた有用物質の生産など、あらゆる実験研究および臨床検査の基盤をなす最も重要な技術の一つである。1