HEALTH WORDS / 用語解説
子宮頸がん
Cervical cancer
子宮の出口にあたる子宮頸部は、子宮体部に比べてヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が起こりやすい部位として知られている。1
子宮頸がんの発生には、高リスク型のヒトパピローマウイルス(HPV)の持続的な感染が深く関与している。2
ヒトパピローマウイルス(HPV)は性交渉によって感染するごく一般的なウイルスであり、多くの女性が一生に一度は感染するとされているが、大半の感染者は免疫の働きによって自然治癒する。3
しかし、一部の女性においてウイルスが排除されずに持続感染すると、数年から数十年の年月を経て前がん病変と呼ばれる状態をへてがんへと進展することがある。1
ヒトパピローマウイルス(HPV)には多くの型が存在し、そのなかでも特に16型や18型といった高リスク型は、子宮頸がんの発生リスクを著しく高めることが分かっている。3
子宮頸がんの組織学的分類としては、扁平上皮がんと腺がんが大部分を占め、特に扁平上皮がんが全体の約7割から8割を占めるとされている。1
初期の子宮頸がんは自覚症状がほとんどないため、病気の進行に気づきにくいという特徴がある。1
病状が進行するにつれて、月経以外の出血である不正出血や、性交時の出血、通常とは異なる帯下(りょうか:おりもの)の増加、さらには下腹部痛や腰痛などが現れることがある。1
子宮頸がんの予防および早期発見において極めて重要な役割を果たしているのが、子宮頸がん検診である。3
子宮頸がん検診では、子宮頸部の細胞を採取して顕微鏡で観察する細胞診が行われ、前がん病変や早期がんの段階で発見することが可能となる。1
また、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を未然に防ぐ手段として、HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の接種が推奨されている。3
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因の多くを占める特定の型のウイルスの感染を予防する効果があり、公費による定期接種の対象となっている。3
子宮頸がんと診断された場合の治療法としては、がんの進行度(病期・ステージ)や患者の身体的状態、妊娠・出産の希望などを総合的に考慮して選択される。1
主な治療法には、手術療法(外科治療)、放射線療法、薬物療法(化学療法)などがあり、早期の段階であれば子宮の温存を選択できる場合もある。1
しかし、病期が進行した場合には、子宮や周囲の組織を広く切除する手術や、放射線と抗悪性腫瘍薬を併用する治療が必要となることが多い。1