HEALTH WORDS / 用語解説
樹皮
bark
樹皮とは、木本植物における維管束形成層の外側のすべての組織を指す植物学上の用語である。1
一般的に樹木の幹や枝の最も外側を覆う保護層であり、植物の生存において極めて重要な役割を担っている。
内樹皮は生きている細胞を含んでおり、維管束形成層によって作られた二次篩部などがこれに該当する。
二次篩部は、葉で光合成によって生成された同化産物である糖類などの栄養分を植物体全体へ輸送する重要な通路として機能している。
一方、外樹皮はコルク形成層の働きによって形成される組織であり、コルク層や死んだ細胞などで構成されている。
外樹皮の表面は一般的にコルク化しており、水分の蒸発を防ぐとともに、外部からの物理的損傷や病原菌、害虫の侵入に対する物理的防御壁として樹木をまもっている。
また、樹皮には気孔の代わりに皮目と呼ばれる組織が存在し、内部の生きて いる細胞が呼吸を行うためのガス交換の窓口としての役割も果たしている。
歴史的および実用的な観点からも、樹皮は人間社会において多様に利用されてきた。
例えば、セイロンシナモンなどの香辛料や、医薬品の原料として利用される成分が含まれている場合がある。
代表的な薬用植物の樹皮としては、マラリアの治療薬であるキニーネの原料となるキナの樹皮や、アスピリンの由来となったサリチル酸の前駆物質を含むヤナギの樹皮などが知られている。
さらに、コルクガシの樹皮から得られるコルクは、その特異な弾力性や不浸透性を活かしてワインの栓などに広く用いられている。
このように、樹皮は単なる外皮にとどまらず、植物の代謝産物の蓄積場所としても生態学的および産業的に大きな価値を有している。2