ホーム水痘ワクチン

HEALTH WORDS / 用語解説

水痘ワクチン

Varicella vaccine

水痘ワクチンとは、水痘・帯状疱疹ウイルスの弱毒株を用いた生ワクチンであり、水痘(水疱瘡)の発症や重症化を予防するために用いられる製剤である。1 水痘・帯状疱疹ウイルスはヒトからヒトへ空気感染、飛沫感染、接触感染により伝播し、非常に強い伝染力を有する。2 初感染時には水痘を発症し、全身の皮膚に特徴的な水疱や発疹、発熱などがみられる。 小児期においては比較的軽症で経過することが多いものの、まれに脳炎、肺炎、小脳失調症などの合併症を引き起こすことがあり、成人や免疫不全状態の患者が感染した場合には重症化するリスクが高まる。1 また、水痘が治癒した後もウイルスは神経節に潜伏感染し続け、加齢や免疫力の低下などを契機に帯状疱疹として再活性化することが知られている。3

水痘ワクチンの接種により、体内で中和抗体や細胞性免疫が誘導され、水痘に対する免疫を獲得することができる。1 ワクチンを接種することで、感染そのものを完全に防ぐことができなくとも、発症した場合の症状を著しく軽減し、重症化を防ぐ高い効果が認められている。3 わが国では、水痘ワクチンは定期接種の対象となっており、特定の年齢層の小児に対して公費による予防接種が実施されている。4 これにより、社会全体の免疫保持率が向上し、流行の規模を縮小させることが期待されている。1

水痘ワクチンの株としては、世界的に広く使用されている岡株などが挙げられ、優れた安全性と有効性が確認されている。1 副反応としては、接種部位の発赤、腫脹、疼痛などがみられることがあるほか、接種後数日から数週間にかけて軽い発疹や水疱が少数現れることがある。4 ただし、これらは通常一過性のものであり、自然軽快することが多い。 生ワクチンであるため、アナフィラキシーなどの重篤な副反応の既往がある場合や、妊婦、重度の免疫不全を有する患者などに対しては接種禁忌または慎重投与とされる。3 適切なスケジュールに従って複数回の接種を行うことで、より確実で持続的な免疫を維持することが可能となる。1

参考文献・出典

  1. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/522-varicella.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
  2. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/dl/koushi-01.jpg ↩
  3. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000918451.pdf ↩1 ↩2 ↩3
  4. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/varicella/index.html ↩1 ↩2