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HEALTH WORDS / 用語解説

神経筋疾患

神経筋疾患とは、末梢神経、神経筋接合部、および骨格筋のいずれかの構造や機能に異常が生じることで、筋力低下や筋肉の萎縮などを引き起こす一連の疾患の総称である。1

神経筋疾患の病態は、障害を受ける部位によって大きく分類される。運動ニューロンが侵される筋萎縮性側索硬化症などの神経原性疾患、重症筋無力症のように神経筋接合部の伝達が阻害される疾患、そして筋ジストロフィーなどの筋原性疾患に大別される。2

末梢神経の障害によって引き起こされる疾患では、感覚障害を伴うことが多く、手足のしびれや痛み、深部腱反射の低下や消失が観察される。1

神経筋接合部疾患の代表例である重症筋無力症は、神経から筋肉への信号伝達を担うアセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生されることで発症する自己免疫疾患であり、眼瞼下垂や複視、全身の易疲労性を特徴とする。3

筋原性疾患の代表格である筋ジストロフィーは、筋肉の細胞膜を保持するジストロフィンなどのタンパク質の異常により、筋繊維の壊死と再生が繰り返され、徐々に筋力が失われていく遺伝性疾患である。2

多くの神経筋疾患に共通する臨床症状として、四肢の筋力低下、筋肉の萎縮、筋痙縮、あるいは関節拘縮などが挙げられ、病状が進行すると呼吸筋の麻酔や嚥下障害を引き起こし、生命予後に重大な影響を及ぼすことがある。1

診断にあたっては、詳細な神経学的診察に加え、血液検査によるクレアチンキナーゼ値の測定、筋電図検査や神経伝導検査などの電気生理学的検査、筋生検による病理組織学的検査、および遺伝子検査が総合的に用いられる。2

神経筋疾患の治療法は、疾患の病因に応じて多様であり、免疫抑制療法、血漿交換療法、対症療法としてのリハビリテーション、呼吸管理などが実施されるほか、近年では遺伝子治療や分子標的薬の開発が進められている。3

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 難病情報センター: https://www.nanbyou.or.jp/entry/5586 ↩1 ↩2 ↩3
  2. 国立精神・神経医療研究センター: https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/disease04.html ↩1 ↩2 ↩3
  3. 難病情報センター: https://www.nanbyou.or.jp/entry/12奈良県医師会 ↩1 ↩2