HEALTH WORDS / 用語解説
筋層浸潤性膀胱癌
Muscle-invasive bladder cancer
筋層浸潤性膀胱癌とは、膀胱の粘膜および粘膜下層を超えて、固有筋肉層(平滑筋層)にまで及ぶ浸潤を示した悪性腫瘍(癌)のことである。1
膀胱癌は大きく分けて、粘膜表面にとどまる非筋層浸潤性膀胱癌と、筋層に達する筋層浸潤性膀胱癌に分類される。2
筋層浸潤性膀胱癌は、非筋層浸潤性膀胱癌と比較して転移のリスクが有意に高く、生命を脅かす危険性が増すため、より強力かつ集学的な治療介入が必要とされる。1
主な症状としては、疼痛を伴わない血尿が最も一般的であるが、頻尿や排尿時痛などの膀胱刺激症状を認めることもある。3
診断においては、膀胱鏡検査による組織診(生検)を行い、病理学的に筋層への浸潤を確認することが不可欠である。1
さらに、癌の拡がりや転移の有無を評価するために、CT検査やMRI検査などの画像診断が実施される。4
治療方針の決定にあたっては、TNM分類に基づく病期診断が極めて重要であり、遠隔転移の有無や患者の全身状態を総合的に評価して選択される。2
局所に限局している筋層浸潤性膀胱癌に対する標準的な治療法としては、根治的膀胱全摘除術が行われる。1
手術の前段階として術前補助化学療法を行うことが、生存率の向上において推奨されている。2
また、膀胱温存を希望する症例や手術が困難な患者に対しては、放射線治療や化学療法を組み合わせた集学的治療が検討されることもある。2
根治的手術では膀胱を摘出するため、尿路変更術(回腸導管や新膀胱造設など)を同時に施行する必要がある。1
転移を伴う進行期の筋層浸潤性膀胱癌に対しては、薬物療法(化学療法や免疫チェックポイント阻害薬など)が治療の中心となる。2
参考文献・出典
- 日本泌尿器科学会 泌尿器科領域における主たる疾患の定義・解説: https://www.urol.or.jp/lib/files/other/medical/definition_explanation.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
- 国立がん研究センター 膀胱がん 治療: https://ganjoho.jp/public/cancer/bladder/treatment.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
- 国立がん研究センター 膀胱がん 症状: https://ganjoho.jp/public/cancer/bladder/treatment.html ↩
- 国立がん研究センター 膀胱がん 検査: https://ganjoho.jp/public/cancer/bladder/treatment.html ↩