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HEALTH WORDS / 用語解説

精神ストレス

Psychological stress

精神ストレスとは、個人の適応能力を超えると考えられる刺激や要求に直面した際におこる心身の緊張状態や反応を指す。1

人間を含む生体は、外界からの様々な環境因子や心理的・社会的事情による負荷を受けた時、恒常性を維持しようとして全身反応を示す。1

この身体に生じる非特異的な反応の概念はハンス・セリエによって提唱され、ストレスを引き起こす外からの原因はストレッサーと呼ばれる。1

精神ストレスの発生機序においては、中枢神経系が重要な役割を果たしており、大脳皮質で知覚されたストレッサーの情報は視床下部へと伝達される。1

視床下部が刺激されると、自律神経系のうち交感神経が活性化されるとともに、下垂体を介して副腎皮質からのホルモン分泌が促進される。1

特に視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA軸)の活性化は精神ストレスに対する典型的な生体反応であり、コルチゾールなどのグルココルチコイドが血中に放出される。1

これらの神経内分泌系の変動は、短期的な適応には不可欠であるものの、長期間にわたって精神ストレスが持続した場合には心身の不調を引き起こす原因となる。1

持続的な精神ストレスは、[[免疫系]]の機能低下や、循環器系への負担を増大させることが知られており、高血圧や動脈硬化などの疾患リスクを高める要因となる。1

さらに、精神的な側面においても、慢性的な過負荷はうつ病や不安障害などの精神疾患を発症させる大きな要因の一つとして位置づけられている。1

職場や家庭などの生活環境における人間関係、仕事上の過重労働、重大なライフイベントなどは、代表的な精神ストレスの原因となり得る。1

個人が感じる精神ストレスの程度は、その状況に対する認知や評価、および個人が持つコーピング能力によって大きく異なるため、同一のストレッサーであっても受ける影響には大きな個人差が存在する。1

労働者の健康管理や労働環境の改善においては、精神ストレスの評価と対策が重要視されており、厚生労働省などが示す指針に基づいたストレスチェック制度などが導入されている。2

精神ストレスを適切に管理し軽減するためには、十分な睡眠、適度な運動、バランスの取れた食事といった生活習慣の改善が基本となる。1

加えて、専門家によるカウンセリングや心理療法、認知行動療法などのアプローチも、精神ストレスに対処する有効な手段として広く活用されている。1

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-067.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13
  2. 厚生労働省 職場のあんぜんサイト: https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzenproject/index.html ↩