HEALTH WORDS / 用語解説
紅花
Safflower
紅花とは、キク科ベニバナ属に分類される一年草または越年草であり、古くから染料や生薬として利用されてきた植物である。1
紅花はエジプトやインドなどが原産地と考えられており、日本へは中国を経由して伝来したとされる。茎の先端に頭状花序を形成し、開花が進むにつれて鮮やかな黄色から紅色へと花の色が変化する特徴を持つ。乾燥させた紅花の花冠は、伝統的な赤色色素であるカルタミンや、黄色素であるサフロールなどのフラボノイドを含有している。
薬理学および生薬学の分野において、紅花の乾燥花は「紅花(べにばな)」という生薬名で知られており、日本薬局方にも収載されている。漢方医学においては、血行促進、淤血(血行障害)の改善、月経痛や月経不順の治療を目的とした方剤に配合されることが多い。例えば、桃核承気湯や通導散などの漢方薬の構成生薬として利用されている。1 また、現代医学の研究においても、紅花から得られる抽出物や成分について、血栓形成の抑制や血管に対する作用に関する科学的な調査が進められている。2
さらに、紅花の種子からは紅花油(サフラワー油)と呼ばれる油脂が搾油される。紅花油にはリノール酸などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、栄養学的に食用油として広く利用されているほか、工業用としても塗料やインクの原料として活用される。このように、紅花は農業、薬学、食品科学の多岐にわたる分野において重要な資源として位置づけられている。1
参考文献・出典
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200906041794711612 ↩1 ↩2 ↩3
- PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31899982/ ↩