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HEALTH WORDS / 用語解説

膜貫通型

Transmembrane

膜貫通型とは、生体膜である脂質二重層を細胞膜の内外へ貫通して存在するタンパク質の構造様式、またはそのような性質を持つ膜タンパク質の総称である。1

膜貫通型タンパク質は、細胞の外側と内側を隔てる生体膜にしっかりと組み込まれており、多くの場合、疎水性アミノ酸残基からなる膜貫通ドメイン(膜貫通領域)が脂質二重層の内部にある疎水性のコアと相互作用することで、その位置を安定に保っている。2

これらのタンパク質は、細胞膜を一度だけ貫通するシングルパス型と、何度も蛇行するように数回から数十回貫通するマルチパス型に大別され、αヘリックス構造やβバレル構造といった特徴的な立体構造をとることで細胞膜上に安定して存在している。1

生体膜の表層にのみ一時的に結合する表在性膜タンパク質とは異なり、膜貫通型のタンパク質は脂質二重層の内部を完全に横切っているため、界面活性剤などの強力な可溶化剤を用いなければ生体膜から分離することが困難であるという物理化学的な特性を有している。2

生物体内における膜貫通型分子の生理学的役割は極めて多様であり、代表的なものとして受容体(レセプター)として機能してホルモンやサイトカインなどのリガンドを細胞外から特異的に認識し、そのシグナルを細胞内へ伝達する経路の起点となる。1

さらに、イオンチャネルやトランスポーター、能動輸送を担う各種ポンプとしての役割も果たしており、ナトリウムイオンやカリウムイオンをはじめとするイオンや糖質、アミノ酸などの栄養素を受動輸送あるいは能動輸送によって細胞膜の内外へ選択的に透過させることで、細胞内の恒常性(ホメオスタシス)の維持に直接的に寄与している。2

加えて、細胞接着因子として隣接する細胞同士や細胞外マトリックスとの結合を仲介し、組織の構造維持や細胞の移動、免疫応答における細胞間相互作用において中心的な役割を担っているほか、酵素活性を持って細胞膜付近での代謝反応を直接触媒するものも存在する。1

参考文献・出典

  1. 生命科学データベースプロジェクト 糖鎖科学ポータルサイト: https://www.glycoportal.jp/dictionary/contents/p/pa0289.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. NBDC 統合TV: https://togotv.dbcls.jp/20121025.html ↩1 ↩2 ↩3