HEALTH WORDS / 用語解説
蕪
Turnip
蕪(カブ)とは、アブラナ科アブラナ属の根菜類であり、主として肥大した根および葉を食用とする植物である。1
カブの歴史は非常に古く、ヨーロッパや中央アジアが原産地とされる歴史ある作物である。2
日本においても弥生時代あるいは平安時代にはすでに栽培が始まっていたとされ、古事記や日本書紀にも記述が見られるなど、古くから日本人の食生活に深く根ざしてきた野菜の一つである。2
栄養成分の観点から見ると、カブの根の部分にはビタミンCや消化酵素であるアミラーゼなどが豊富に含まれており、これらは消化を助ける働きがあるとされている。3
また、カブの葉の部分は根と比較して栄養価が非常に高く、β-カロテン、ビタミンE、ビタミンK、葉酸などのビタミン類に加えて、カルシウムや鉄といったミネラル類も多量に含有されているのが特徴である。3
このように緑黄色野菜並みの栄養を持つ葉を廃棄せずに食用とすることは、健康維持や栄養バランスの面において極めて有益であると考えられている。2
薬膳や伝統医学の領域においても、カブは胃腸の機能を整え、気の巡りを良くする食材として扱われてきた歴史がある。2
栽培面においては冷涼な気候を好み、日本全国の多様な気候風土に適応して地域ごとに固有の品種が分化してきた経緯がある。2
例えば、京都府の京野菜として知られる聖護院カブや、東京都の江戸東京野菜である品川カブなど、伝統的な地場品種が数多く存在し、それぞれの地域の食文化を形作っている。4
調理法としても多様性に富んでおり、生食によるサラダや和え物をはじめとして、煮物、スープ、漬物など、加熱しても生でも美味しく食べられる汎用性の高い食材である。2
食感としても、低温でじっくり加熱することで組織が軟化し、特有の甘味が引き出されるため、乳幼児から高齢者に至るまで広範な世代にとって消化吸収しやすい介護食や離乳食の材料としても重宝されている。3
参考文献・出典
- e-Stat 概況調査: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032155798 ↩
- 農林水産省 カブ:旬の野菜:農林水産省: https://www.maff.go.jp/j/heya/syun_vege/1401.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
- 文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂): https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/m1452233_00001.html ↩1 ↩2 ↩3
- 農林水産省 うちの郷土料理: https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubun/kyodo_ryouri/index.html ↩