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HEALTH WORDS / 用語解説

薬物アレルギー

Drug allergy

薬物アレルギーとは、医薬品の投与に対して免疫系が過剰に反応し、発疹、じんましん、発熱などの臨床症状を引き起こす有害事象の一つである。1

薬物によって引き起こされる副作用は、その発生機序から薬理作用に基づく予測可能なものと、薬理作用とは無関係に予測困難なものに大別される。薬物アレルギーは後者に属し、免疫機構が関与する過敏症の一種として定義される。

臨床的には、薬物アレルギーの発症機序としてジェラルド・ゲル・アン・クームス(Gell and Coombs)による分類が広く知られており、関与する免疫グロブリンや感作T細胞の種類によってI型アレルギー(即時型)からIV型アレルギー(遅延型)までの4つのタイプに分類される。

I型アレルギーは、原因薬物の投与後数分から数時間以内に発症し、IgE抗体が関与する即時型反応である。アナフィラキシーやじんましん、血管浮腫などが引き起こされる場合があり、重篤なケースでは血圧低下や呼吸困難を伴うアナフィラキシーショックに至ることがある。

一方、IV型アレルギーは、原因薬物への暴露から数日後に症状が現れる遅延型反応であり、T細胞が主に関与する。接触皮膚炎や薬疹などがこれに該当し、皮膚症状が主体となることが多い。

また、薬物アレルギーの中には、スティーヴンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死融解症(TEN)、さらには薬剤性過敏症症候群(DIHS)といった、生命を脅かす重篤な重症薬疹が含まれる。これらは皮膚や粘膜の広範囲な壊死や、多臓器にわたる障害を引き起こすため、早期の原因薬剤の特定と投与中止が極めて重要となる。

薬物アレルギーの診断においては、詳細な問診による服薬歴の確認が基本となる。さらに、原因物質を特定するために、皮膚テスト(プリックテストやパッチテストなど)や血液検査(特異的IgE抗体検査など)が行われることがある。ただし、すべての薬物に対して信頼性の高いin vitro検査や皮膚テストが確立されているわけではない。

確定診断や鑑別診断のために薬剤誘発試験(薬物負荷試験)が実施されることもあるが、アナフィラキシーなどの重篤な副反応を再燃させる危険性があるため、十分な蘇生体制が整った専門医療機関において慎重に行う必要がある。

薬物アレルギーの基本的かつ最大の治療原則は、疑わしい原因薬剤の速やかな投与中止である。症状に応対して、抗ヒスタミン薬や副腎皮質ステロイド薬を用いた対症療法が行われ、アナフィラキシーショックを発症した場合にはアドレナリンの筋肉内注射などの救急処置が最優先される。2

参考文献・出典

  1. 一般社団法人日本アレルギー学会: https://www.jsaweb.or.jp/modules/enviroment/index.php?content_id=5 ↩
  2. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/www/houdou/0611/h1130-3.html ↩