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HEALTH WORDS / 用語解説

輸液療法

Fluid therapy

輸液療法とは、水、電解質、栄養素などを静脈内あるいは皮下などに投与することによって、体液の量や組成、および酸塩基平衡の異常を補正・維持する治療法である。1

体液は、成人の体重の約60%を占めており、そのうち約2/3が細胞内液、約1/3が細胞外液(血漿および組織液)として存在する。2

これらの体液バランスが疾患や外傷、手術などの侵襲によって崩れた際に、生体の恒常性(ホメオスタシス)を維持する目的で輸液療法が施行される。3

輸液療法は、大きく維持液、補正液、血漿増量剤などに分類され、患者の病態に応じて適切な製剤を選択する必要がある。4

日常の水分および電解質の生理的需要を満たすためには維持液が用いられ、手術中や絶食時の基礎代謝を支えるために不可欠である。5

一方、出血による循環血液量減少やショック状態などの緊急時には、細胞外液補充液や膠質液を用いた急速輸液を行い、血圧および心拍出量の維持を図る。6

重症患者管理において、過剰な輸液は肺水腫や組織浮腫を引き起こし、臓器障害を悪化させるリスクがあるため、輸液反応性を評価しながら慎重に投与量を調節することが求められる。7

また、長期にわたる経口摂取が不可能な場合には、末梢静脈栄養や中心静脈栄養などの栄養輸液を併用し、栄養障害の防止と代謝の維持を行う。8

参考文献・出典

  1. 日本集中治療医学会・日本救急医学会:輸液・栄養療法ガイドライン: https://www.jsicm.org/pdf/shuyaku_gl.pdf ↩
  2. 厚生労働省:健康局「健康日本21(栄養・食生活)」: https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/0005/h0530-3.html ↩
  3. 日本麻酔科学会:安全な周術期管理のためのガイドライン: https://anesth.or.jp/files/pdf/guideline05.pdf ↩
  4. 日本臨床麻酔学会誌:輸液製剤の選び方と使い方: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjca/32/3/32_3_363/_pdf/-char/ja ↩
  5. 日本外科学会:外科周術期管理の標準化: https://www.jssoc.or.jp/aboutus/other/files/guideline_04.pdf ↩
  6. 日本救急医学会:J-重症患者の栄養・輸液管理: https://www.jaam.jp/info/2016/pdf/201603_02.pdf ↩
  7. 日本集中治療医学会:日本集中治療医学会雑誌: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicm/24/2/24_131/_pdf/-char/ja ↩
  8. 日本静脈経腸栄養学会:静脈経腸栄養ガイドライン: https://www.jspen.or.jp/gly/pdf/gl_01.pdf ↩