HEALTH WORDS / 用語解説
FOLFOX6
FOLFOX6とは、主に大腸がんなどの悪性腫瘍に対する化学療法として用いられる、複数の抗がん剤を組み合わせた多剤併用療法レジメンの一つである。1 2
FOLFOX6療法は、オキサリプラチン、レボホリナート(L-LV、あるいはホリナート)、フルオロウラシル(5-FU)という3種類の薬剤を組み合わせて投与する治療法である。3 4 この名称は、使用される薬剤の頭文字や略称(5-FU、ロイコボリン=ホリナート、オキサリプラチン)および投与のスケジュール等に由来している。3
大腸がんの治療においては、手術後の再発予防を目的とした術後補助化学療法や、切除不能な進行・再発大腸がんに対する薬物療法として広く選択されている。1 5 臨床試験の結果などに基づき、がんの進行度や患者の全身状態(パフォーマンスステータス)を評価した上で導入される。3 6
投与の具体的なスケジュールとしては、通常、1クール(コース)を2週間(14日間)として繰り返すのが特徴である。3 4 治療の初日にオキサリプラチンの点滴静脈内注射とレボホリナートの点滴を行い、続いてフルオロウラシルの急速静脈内注射および持続静脈内注射が行われる。4 その後、フルオロウラシルの持続投与が数時間にわたって行われ、これらを一定のサイクルで継続することによって抗腫瘍効果を発揮する。3 4
各構成薬剤にはそれぞれ異なる作用機序がある。オキサリプラチンはプラチナ製剤に分類される抗悪性腫瘍剤であり、DNAと結合してその複製や転写を阻害することでがん細胞の増殖を抑える。4 レボホリナートは、それ単体では抗がん作用を示さないものの、フルオロウラシルの代謝酵素に作用して結合を強め、フルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強する役割を持つ。7 フルオロウラシルはピリミジン代謝拮抗薬であり、DNAやRNAの合成を妨げることで細胞分裂を阻害し、腫瘍の縮小や増殖抑制を図る。8
FOLFOX6療法における主な副作用としては、骨髄抑制による白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血などの血液障害が挙げられる。3 4 また、消化器症状として悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、口内炎などが現れることがある。3 4
さらに、オキサリプラチン特有の副作用として、末梢神経障害(手足のしびれや感覚鈍麻)が知られており、これは冷たいものへの接触によって誘発されやすいという特徴を持つ。3 4 その他にも、脱毛、色素沈着、倦怠感、肝機能障害、腎機能障害などが生じる可能性があるため、医療従事者による厳重な体調管理と検査が行われる。3 ((医薬品医療機器総合機構: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultPDF/430138_4299401F102
参考文献・出典
- 国立がん研究センター: https://ganjoho.jp/public/cancer/colorectal/treatment.html ↩1 ↩2
- 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/9811/h1116-2_6.html ↩
- 国立がん研究センター: https://ganjoho.jp/regimen/index.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9
- 医薬品医療機器総合機構: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultPDF/430138_4299401F1023_2_03 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
- 日本大腸肛門病学会: https://www.coloproctology.gr.jp/modules/patient/index.php?content_id=10 ↩
- 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/09/dl/s0903-8c.pdf ↩
- 医薬品医療機器総合機構: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultPDF/350190_4223400D1022_1_04 ↩
- 医薬品医療機器総合機構: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultPDF/420130_4222400D1037_2_04 ↩