ホームL-メチオニン

HEALTH WORDS / 用語解説

L-メチオニン

L-Methionine

L-メチオニンとは、タンパク質を構成する標準的なアミノ酸の一つであり、生体内において様々な重要な代謝機能に関与する必須アミノ酸である。1 ヒトを含む動物の体内では生合成することができないため、食事などの外部から摂取する必要がある栄養素である。2

化学構造上は硫黄原子を含む含硫アミノ酸に分類され、側鎖にチオエーテル基を有している。1 タンパク質の翻訳開始時において最初に取り込まれるアミノ酸としても知られており、原核生物ではホルミル化されたメチオニンが、真核生物ではそのままのメチオニンが開始コドン(AUG)に対応してポリペプチド鎖のN末端に配置される。3

生体内においてL-メチオニンは、活性メチオニンとも呼ばれるS-アデノシルメチオニン(SAMe)へと変換される。2 このS-アデノシルメチオニンは、DNAやタンパク質、脂質などの様々な分子に対してメチル基を供与するメチル化反応の主要な補酵素として機能し、多くの生体物質の合成や遺伝子発現の調節において中心的な役割を果たしている。4

また、L-メチオニンはトランス硫黄経路を経てホモシステインに変換された後、システインやタウリン、さらには強力な抗酸化物質であるグルタチオンなどの生理活性分子へと代謝される。2 これらの代謝産物は、細胞内の酸化ストレスの軽減や解毒作用、肝臓における脂質代謝の正常化など、生体の恒常性維持に深く寄与している。5

食品分野においては、肉類、魚介類、卵、乳製品、および特定の大豆製品などに豊富に含まれており、ヒトの健康維持や成長に欠かせない栄養素として食品添加物や医薬品の成分としても利用されることがある。6

参考文献・出典

  1. MeSH: https://meshb.nlm.nih.gov/record/ui?ui=D008715 ↩1 ↩2
  2. KEGG PATHWAY: https://www.kegg.jp/pathway/map00270 ↩1 ↩2 ↩3
  3. National Center for Biotechnology Information: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK22349/ ↩
  4. MeSH: https://meshb.nlm.nih.gov/record/ui?ui=D012436 ↩
  5. MeSH: https://meshb.nlm.nih.gov/record/ui?ui=D005978 ↩
  6. FoodData Central: https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/173872/nutrients ↩