HEALTH WORDS / 用語解説
タウリン
taurine
人体の様々な臓器に含まれる無味・無臭の有機化合物。人間の体重の約0.1%を占める。化学的にはアミノエチルスルホン酸と呼ばれる。分子式は C2H7NO3S
化学的構造がアミノ酸と似ているためにアミノ酸の一種とする場合もあるが、厳密には異なる物質である。
胎児や新生児は十分な量のタウリンを合成できないため、母乳中には大量のタウリンが含まれる。成長するにつれ体内でのタウリン合成能力が上がり、システインやメチオニンから合成されるようになる。
タウリンは1827年、牛の胆汁中の成分として初めて発見され、ギリシャ語の牛を表すタウロスにちなんでタウリンと名付けられた。このタウリンは、植物以外のあらゆる生物に含まれており、人でも、体のあらゆる臓器に含まれている。… 最も多く含まれる臓器は心臓で、次いで筋肉、肝臓、腎臓、肺、脳などで、また、網膜や卵巣、精子などにも含まれる。1
タウリンの作用
ミトコンドリアにおけるタンパク質合成に必要。抑制性神経伝達物質のひとつ。23
高血圧を抑える効果や強心作用、肝臓の機能を強化してコレステロールを調整、膵臓のβ細胞の保護などが確認されている。細胞膜の保護効果があり、目の角膜の修復にも関与する。
動物実験でも、遺伝的に高血圧を発症しやすいラットにタウリンを投与するか否かで調べた結果、タウリン摂取群では、高血圧に起因する脳卒中による死亡率が低下した。... タウリンは心臓の筋肉、すなわち、心筋を保護することにより強心作用を示すことが分かった。なぜ、タウリンが血圧を低下させるかについては、血圧の上昇に関与するカテコールアミンの放出を抑制することが明らかになった。4
タウリンによる血中コレステロール低下作用の内容は、悪玉(LDL)コレステロールを著しく低下させ、逆に善玉(HDL)コレステロールを増やし、全体的には総コレステロールが低下する。また、コレステロール過剰摂取による胆石の形成も、タウリンで抑えることができる。5
筋肉には多くのタウリンが含まれており、その運動に関与している。
筋肉は体重の4割強を占める大きな組織であり、それ故、全体としてタウリン含量も多く、全身の約7割を占める。… タウリンとエネルギー代謝に関する動物実験やヒトのランニング試験の結果、タウリンは、持久運動、すなわち脂肪燃焼型運動時に働いていることが明らかになった。すなわち、タウリンは持続的なエネルギー供給のために脂肪の分解を促進し、脂肪量を減少させる。そこで、タウリンはダイエット食に利用されるかもしれない。また、運動による血圧や心拍数の上昇が、タウリンの投与によって改善された。6
タウリンを含む食材
タウリンは植物には含まれていない。魚介類に多く含まれる。
タウリンは水に溶けやすいので、煮汁なども一緒に食べるようにすると摂取しやすい。
- カツオ
- サバ
- カキ
カツオやサバなどの赤身魚類では、普段食べる白身の部分よりも赤い血合い肉の部分に5-10倍もの多くのタウリンが含まれています。
また、「海のミルク」といわれるカキでは、生のカキに多く含まれており、特に殻付きの場合には、むき身と比べて2倍ほどのタウリンが含まれています。7
参考文献・出典
- 静岡県立大学 食品栄養科学部 タウリン(1)|新聞|食と健康Express: http://sfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/express/newspaper/taurine01.html ↩
- 共同発表:難病「ミトコンドリア病」発症の原因解明~治療薬の開発に道筋~: http://www.jst.go.jp/pr/announce/20180110/ ↩
- 名城大学薬学部 アミノ酸・ペプチド系神経伝達物質、アセチルコリン: http://www-yaku.meijo-u.ac.jp/Research/Laboratory/chem_pharm/09jugyou/6.%20aminosan.pdf ↩
- 静岡県立大学 食品栄養科学部 タウリン(3)|新聞|食と健康Express: http://sfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/express/newspaper/taurine03.html ↩
- 静岡県立大学 食品栄養科学部 タウリン(4)|新聞|食と健康Express: http://sfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/express/newspaper/taurine04.html ↩
- タウリン(6)|新聞|食と健康Express: http://sfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/express/newspaper/taurine06.html ↩
- 静岡県立大学 食品栄養科学部 タウリン(2)|新聞|食と健康Express: http://sfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/express/newspaper/taurine02.html ↩