HEALTH WORDS / 用語解説
RNAポリメラーゼII
RNA polymerase II
RNAポリメラーゼIIとは、真核生物の細胞核内においてDNAの遺伝情報をmRNAや一部のncRNAへと転写する触媒として機能する、巨大でマルチサブユニットからなる酵素複合体である。1
真核生物のゲノムには複数種類のRNAポリメラーゼが存在しているが、その中でもRNAポリメラーゼIIはタンパク質をコードする遺伝子の転写を担う極めて中心的な酵素である。1
本酵素はDNAの特定の塩基配列であるプロモーター領域を認識して転写を開始するためには、単体ではなく多数の基本転写因子などのタンパク質と協調して転写前複合体を形成する必要がある。1
RNAポリメラーゼIIの本体は多数の異なるサブユニットから構成されており、特に最大サブユニットのC末端ドメイン(CTD)はリン酸化されることによって転写の開始から伸長反応への移行や、RNAプロセシングに関与する様々な因子との結合を制御する重要な役割を担っている。1
転写の過程において、RNAポリメラーゼIIはDNA鎖の二重螺旋をほどきながら鋳型鎖を読み取り、リボヌクレオチドを順次結合させることでプレmRNAを合成していく。2
合成されたプレmRNAは、その後キャップ構造の付加、スプライシング、ポリアデニル化などの様々なRNAプロセシングを受けることで成熟したmRNAとなり、細胞質へと輸送されて翻訳を経てタンパク質へと合成される。2
このように、RNAポリメラーゼIIによる転写の精密な制御は、真核生物における遺伝子発現の調節や細胞の多様性を維持するために不可欠な分子メカニズムとなっている。2