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HEALTH WORDS / 用語解説

SIRT7

Sirtuin 7

SIRT7とは、哺乳類におけるサーチュインファミリーに属するヒストンデアセチラーゼであり、主として核の仁に局在して転写調節やエピジェネティクスの維持に関与するタンパク質分子である。1

サーチュインファミリーは酵母のSir2にホモロジーを持つ酵素群であり、ヒトではSIRT1からSIRT7までの7種類のアイソフォームが存在している。2

その中でSIRT7は、主としてリボソームRNA(rRNA)の転写を活性化させることで細胞増殖やタンパク質合成を促進する機能を持っている。1

分子生物学的な特徴として、SIRT7はNAD+依存性の脱アセチル化酵素としての活性を示すほか、一部の基質に対しては脱サクシニル化酵素や脱マロニル化酵素としての活性も有することが明らかにされている。1

細胞内においては主に核小体(仁)に存在し、RNAポリメラーゼIによる転写機構を制御することによってリボソームの生合成を直接的にコントロールしている。1

また、SIRT7はクロマチン構造のリモデリングにも深く関与しており、ヒストンなどのタンパク質を修飾することで遺伝子発現のオン・オフを切り替える役割を担っている。2

生体内における生理的意義としては、DNA損傷応答や細胞周期の制御、さらにアポトーシスの抑制などを通じて細胞の生存維持に寄与していることが知られている。1

近年の医学および生物学の研究により、SIRT7の機能異常はがんの進展や代謝疾患、さらには老化現象と密接に関連していることが示唆されている。1

特に多くの悪性腫瘍組織においてはSIRT7の発現量が異常に亢進しており、がん細胞の旺盛な増殖能や生存に不可欠な役割を果たしていることが報告されている。1

その一方で、栄養飢餓状態やストレス負荷時にはSIRT7の活性や発現が変動し、エネルギー代謝の恒常性を維持するための適応応答を誘導することが知られている。1

このようにSIRT7は、転写調節、DNA修復、代謝ネットワークの制御など多岐にわたる生命現象の要として機能しており、将来的な創薬ターゲットとしても大きな注目を集めている分子である。1

参考文献・出典

  1. NCBI Gene: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/51547 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9
  2. PDB-101: https://pdb101.rcsb.org/motm/232 ↩1 ↩2