HEALTH WORDS / 用語解説
UGT1A8
UGT1A8
UGT1A8とは、ヒトのUGT1Aファミリーに属し、主として小腸などの消化管に発現して様々なグルクロン酸抱合反応を触媒するUDP-グルクロン酸転移酵素アイソフォームの一つである。1
UGT1A8遺伝子は第2染色体の長腕(2q37)に位置するUGT1A遺伝子クラスター内に存在し、固有の第一エクソンを共有する他のUGT1Aファミリー分子群と同様の遺伝子発現制御およびスプライシング機構を受けることで多様なアイソフォームを構成している。1
本酵素は、生体外から摂取される薬物や異物、あるいは食事由来のファイトケミカルや抱合を必要とする内因性物質などを基質として認識し、それらにグルクロン酸を結合させることで親水性を高め、体外への排泄を促進する代謝経路において極めて重要な役割を果たしている。2
UGT1A8は特に消化管上皮組織において高く発現していることから、経口投与された薬剤が血流に移行する前に腸管壁で代謝を受ける初回通過効果の一部を担っており、結果としてバイオアベイラビリティの変動や薬物動態に大きな影響を及ぼす要因となっている。2
また、UGT1A8の遺伝子多型や一塩基多型(SNP)の存在が数多く知られており、これらの遺伝子変異に起因する酵素活性の個体差やタンパク質の機能低下は、抗がん剤やNSAIDsなどの臨床薬物における血中濃度の変動、薬効の個人差、さらには副作用発現リスクの差異に関連していることが薬理学および薬物動態学の分野で研究されている。2
参考文献・出典
- NCBI Gene: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/54578 ↩1 ↩2
- PharmGKB: https://www.pharmgkb.org/chemical/PA451433/overview ↩1 ↩2 ↩3