HEALTH WORDS / 用語解説
γ1-カゼイン
γ1-casein
γ1-カゼインとは、牛乳中に含まれる主要なカゼイン画分のひとつであり、β-カゼインのタンパク質分解酵素(プラスミンなど)による加水分解生成物(限定分解物)として生じるホスホタンパク質である。1
カゼインにはαs1-カゼイン、αs2-カゼイン、β-カゼイン、κ-カゼインといった主要な遺伝子座にコードされるタンパク質が存在するが、そのうちのβ-カゼインのC末端側あるいはN末端側の部分ペプチド鎖が切断されることにより、複数のγ-カゼインファミリー(γ1、γ2、γ3)が形成されることが知られている。2
具体的には、β-カゼインのペプチド結合が特異的に切断されることで、元の分子量よりも小さなポリペプチド鎖となり、電気泳動的な挙動や溶解度、沈殿特性などの生化学的性質が変化する。2
この加水分解反応は生体内だけでなく、乳業製品の製造過程や生乳の貯蔵中にもプラスミンなどのタンパク質分解酵素の働きによって進行するため、乳製品の品質やチーズの熟成過程、タンパク質組成の変化を解析する上で重要な指標となる。2
ウシをはじめとする哺乳類のカゼイン遺伝子は遺伝子多型やアミノ酸変異を示すことが多く、γ1-カゼインの前駆体であるβ-カゼインの構造的違いを反映して、個体間や品種間で異なる電気泳動パターンを示すことがある。1