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HEALTH WORDS / 用語解説

インターフェロンガンマ

Interferon-gamma

インターフェロンガンマとは、免疫応答において中心的な役割を果たすサイトカインの一種であり、特に抗ウイルス作用、抗腫瘍作用、および免疫細胞の活性化に深く関与するタンパク質である。1

本物質はI型インターフェロンとは異なり、II型インターフェロンに分類される唯一のタンパク質であり、免疫系の調節において独自の機能を持つ。2

インターフェロンガンマは、主にT細胞(特にTh1細胞や細胞傷害性T細胞)やNK細胞(ナチュラルキラー細胞)といった免疫細胞によって産生および分泌される。1

分泌されたインターフェロンガンマは、標的細胞の表面にあるインターフェロンガンマ受容体に結合することで、細胞内へシグナルを伝達し、様々な遺伝子発現を誘導する。2

このシグナル伝達経路の中心的な役割を担うのがJAK-STAT経路であり、特にSTAT1のリン酸化と核内移行を介して多くの免疫関連遺伝子の転写を促進する。2

マクロファージに対する作用としては、その貪食能や殺菌能を著しく活性化させ、細胞内に寄生する細菌やウイルスなどの病原体を排除する能力を高める働きがある。1

また、抗原提示細胞におけるMHCクラスI分子およびMHCクラスII分子の発現を亢進させることにより、獲得免疫系における抗原提示の効率を向上させる重要な役割も果たしている。2

ヘルパーT細胞の分化においては、ナイーブT細胞からTh1細胞への分化を促進する一方で、Th2細胞の増殖やIgE抗体の産生を抑制することで、免疫バランスをTh1型に傾ける調整機能を持つ。2

腫瘍免疫の分野においては、がん細胞に対する細胞傷害性T細胞やNK細胞の攻撃力を高めるとともに、血管新生を抑制する作用などを通じて腫瘍の増殖を抑える方向に働く。1

一方で、その強力な炎症誘導作用ゆえに、過剰な産生や免疫異常が起きた場合には、自己免疫疾患や慢性炎症性疾患、さらにはサイトカインストームなどの病態形成に関与することが知られている。2

臨床医学の領域では、結核菌などの感染症の診断において、血液サンプルに抗原を反応させてインターフェロンガンマの産生量を測定するインターフェロンガンマ遊離試験(IGRA)などの検査法に応用されている。1

また、その免疫賦活作用を利用して、特定の難治性疾患に対する治療薬として遺伝子組み換え技術を用いた製剤が開発され、臨床現場で利用されてきた歴史を持つ。2

参考文献・出典

  1. NCI Dictionary of Cancer Terms: https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-terms/def/interferon-gamma ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200907038148817296 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7