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HEALTH WORDS / 用語解説

ジヒドロカプシエイト

ジヒドロカプシエイトとは、トウガラシに含まれるカプサイシン類縁体のひとつであり、天然由来の辛味成分であるカプシノイドの一種である構造上の特徴として、カプサイシンと同様の生理活性を持ちながらも、強い辛味を示さないという性質を有している。1

ジヒドロカプシエイトは、唐辛子の中でも辛味の少ない特定の品種から微量に発見された化合物であり、化学的にはカプシエイトの水素添加物として位置づけられる。2 辛味を感じさせないメカニズムとしては、舌にある受容体(TRPV1など)に対する親和性がカプサイシンと比較して著しく低いためであると考えられている。3 この特性により、食品への添加において辛味による刺激を抑えつつ、カプサイシン様作用を期待できる素材として注目を集めてきた。2

生体内におけるジヒドロカプシエイトの代謝と吸収に関する研究では、経口摂取された本成分は消化管から速やかに吸収され、血中へと移行することが確認されている。3 吸収されたジヒドロカプシエイトは、全身の代謝系に作用し、エネルギー消費量を増加させる働きが報告されている。4 具体的には、交感神経系を活性化させることで、基礎代謝や脂肪燃焼を促進する効果がヒトおよび動物実験において検討されてきた。4

臨床試験や介入研究においては、ジヒドロカプシエイトの継続的な摂取が体脂肪の低減やエネルギー産生に与える影響が評価されている。5 これらの研究では、過剰摂取による強い副作用が報告されることは少なく、安全性に関する評価も進められている。1 肥満気味の被験者を対象とした試験では、食事とともにジヒドロカプシエイトを摂取することで、脂質代謝が変化し、体組成の改善に寄与する可能性が示唆されている。5

さらに、ジヒドロカプシエイトはサーモジェネシス(産熱反応)を誘導する能力を持つことから、生活習慣病の予防や健康維持を目的とした機能性食品の成分としての応用が進められている。2 運動と組み合わせることで脂肪の利用効率を高める効果なども期待されており、スポーツ栄養学や予防医学の領域においても関心が持たれている化合物である。4

参考文献・出典

  1. 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部: https://www.nihs.go.jp/hse/food-info/oshirase/capsinoid.html ↩1 ↩2
  2. J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/53/9/53_9_477/_article/-char/ja/ ↩1 ↩2 ↩3
  3. PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17563274/ ↩1 ↩2
  4. PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15613459/ ↩1 ↩2 ↩3
  5. PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19837775/ ↩1 ↩2