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HEALTH WORDS / 用語解説

テトラハイドロバイオプテリン

Tetrahydrobiopterin

テトラハイドロバイオプテリンとは、生物学的プロセスにおいて不可欠な補酵素であり、アミノ酸の代謝や神経伝達物質の合成など、多くの重要な生化学反応に関与する化合物である1。

この物質は、生体内において様々な芳香族アミノ酸水酸化酵素の補酵素として機能する。 具体的には、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンといったアミノ酸を水酸化する反応の際に必須の役割を果たしており、これらを前駆体とする神経伝達物質であるドパミンやセロトニンの生合成において中心的な働きを担っている1。

また、テトラハイドロバイオプテリンは一酸化窒素合成酵素(NOS)の補酵素としても非常に重要な働きをしており、血管の拡張や免疫応答などに関与する一酸化窒素の産生を調節する機構において不可欠な存在である2。 生体内では、グアノシン三リン酸(GTP)を出発物質としていくつかの酵素による段階的な生合成経路を経て産生されるほか、酸化された後にはジヒドロ葉酸還元酵素などの作用によって再び活性型へと再生されるリサイクル機構が存在している1。

ヒトの遺伝子疾患との関連においては、テトラハイドロバイオプテリンの合成や再生に関わる酵素の遺伝子変異が原因となり、その体内濃度が低下することが知られている2。 このような代謝異常は高フェニルアラニン血症を引き起こすほか、中枢神経系における神経伝達物質の著しい不足を招き、運動障害や発達遅滞などの重篤な臨床症状をもたらすことがある2。 そのため、関連する先天代謝異常症の診断や治療の場においては、本物質の血中濃度や尿中プテリンの分析、さらには不足を補うための薬物療法としての補充療法などが臨床的に検討されることがある1。

参考文献・出典

  1. PubChem: https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Tetrahydrobiopterin ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. アメリカ国立医学図書館: https://medlineplus.gov/genetics/gene/gch1/ ↩1 ↩2 ↩3