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HEALTH WORDS / 用語解説

ビタミンA濃

ビタミンA濃とは、ビタミンAの血中濃度または組織中における含有量を指す概念であり、生体の栄養状態や代謝機能を評価するための重要な指標である。1 ビタミンAは脂溶性のビタミンの一種であり、視覚の維持、上皮組織の分化、免疫機能の調節など、生体において多岐にわたる生理的役割を果たしているため、その体内動態を把握することは臨床医学および公衆衛生学において極めて重要である。2

生体内におけるビタミンAは、主にレチノールやそのエステル体として血中に存在し、肝臓に蓄えられたレチノール結合タンパク質(RBP)と結合して標的組織へと運搬される。1 血中のビタミンA濃度を測定することは、ビタミンAの欠乏症や過剰症を診断するための直接的な手段となる。2 一般に、血中レチノール濃度が一定の基準値を下回るとビタミンA欠乏症と診断され、夜盲症や乾燥性眼炎などの眼症状だけでなく、免疫力の低下に伴う感染症リスクの上昇を引き起こすことが知られている。1

一方で、ビタミンA濃が過剰に高値を示す状態も臨床的に問題となる。2 ビタミンAは脂溶性であるため、過剰に摂取された分は肝臓などの組織に蓄積されやすく、排泄されにくい性質を持つ。1 そのため、サプリメントの不適切な長期大量摂取などによりビタミンA濃が異常に上昇すると、急性あるいは慢性の過剰症を発症するリスクが高まる。2 慢性的な過剰症では、頭痛、吐き気、脱毛、皮膚の乾燥、骨密度の低下などが生じることがあり、特に妊娠初期の過剰摂取は胎児の先天異常のリスクを高めることが指摘されている。1

このように、ビタミンA濃は低すぎても高すぎても生体に有害な影響を及ぼすため、その体内でのバランスは厳密に制御されている。2 臨床現場や疫学調査においては、血清レチノール値の測定を通じて集団の栄養状態を評価し、適切な食事摂取基準の策定や栄養指導に役立てられている。1

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 日本人の食事摂取基準: https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
  2. 国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」: https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail.php?no=104full ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5