HEALTH WORDS / 用語解説
全身化学療法
Systemic chemotherapy
全身化学療法は、手術や放射線療法などの局所療法とは異なり、体幹や四肢などの局所だけでなく、遠隔転移を来している病巣に対しても同時にアプローチすることが可能であるという特徴を持つ。1
臨床の場においては、悪性腫瘍の種類や病期、患者の全身状態などを総合的に評価した上で、単剤療法あるいは複数の薬剤を組み合わせた多剤併用療法が選択される。2
投与経路としては、点滴静脈内注射や静脈注射といった血管を介した方法が代表的であるが、薬剤の特性や疾患の病態に応じて経口投与が採用される場合もある。1
治療の目的は癌の治癒を目指す根治的治療だけでなく、手術の前段階として腫瘍の縮小を図る術前補助化学療法や、手術後の再発リスクを低減するための術後補助化学療法として位置づけられることもある。1
さらに、根治が困難な進行期や再発した癌に対しても、症状の緩和やQOL(生活の質)の維持、生命予後の延長を目的として全身化学療法が実施される。2
一方で、全身化学療法で用いられる抗悪性腫瘍薬は、増殖が盛んな癌細胞を標的とする一方で、毛根や消化管の粘膜、骨髄といった正常細胞のうち分裂の早い細胞に対しても非特異的に作用してしまう性質がある。1
その結果として、骨髄抑制に伴う白血球減少や貧血、血小板減少、あるいは悪心、嘔吐、口内炎、脱毛といった副作用が頻発することが知られている。2
これらの副作用に対しては、支持療法と呼ばれる対症的かつ予防的な医療介入を適切に行うことで、患者の身体的負担を軽減しながら治療を継続することが試みられる。1
参考文献・出典
- 国立がん研究センターがん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/chemotherapy/chemotherapy01.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
- 厚生労働省 診療ガイドライン情報: https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/json/m0200845 ↩1 ↩2 ↩3