HEALTH WORDS / 用語解説
甲状腺濾胞細胞
Thyroid follicular cell
甲状腺濾胞細胞とは、甲状腺の実質組織において濾胞を形成する上皮性細胞であり、甲状腺ホルモンの合成、貯蔵および分泌を担う主要な細胞である。1
甲状腺の内部には、球形または楕円形の構造物である濾胞が多数存在しており、この濾胞の壁を構成しているのが単層の立方上皮である甲状腺濾胞細胞である。1
濾胞の内部にはコロイドと呼ばれるゲル状の物質が満たされておらず、このコロイドの主成分は糖蛋白の一種であるサイログロブリンである。1
甲状腺濾胞細胞は、血液中からヨウ素(ヨード)を取り込み、これを基質としてサイログロブリン内にチロシン残基のヨウ素化を行って甲状腺ホルモンの前駆体を合成する機能を持っている。1
合成されたホルモンはサイログロブリンと結合した状態で濾胞の内腔(コロイド)に貯蔵され、生体の要求に応じて濾胞細胞に再び取り込まれ、タンパク質分解酵素による加水分解を受けることで遊離のホルモンとして血管内へ分泌される。1
甲状腺濾胞細胞の機能および増殖は、脳下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって強く調節されており、TSHが濾胞細胞の表面にある受容体に結合することで、ホルモンの生合成や分泌が促進される。1
また、甲状腺濾胞細胞から産生される甲状腺ホルモンには、チロキシン(T4)とトリヨードチロニン(T3)があり、これらは全身の細胞に作用して基礎代謝の亢進や体温調節、小児の成長発育などの重要な生理作用を発揮する。2