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HEALTH WORDS / 用語解説

脱脂粉乳

脱脂粉乳とは、生乳や牛乳から乳脂肪分を除去した後に乾燥させ、粉末状にした乳製品である。1 英語では「スキムミルク(skim milk)」とも呼ばれ、水分や脂肪が少ないため長期の保存が可能な点が特徴である。2

脱脂粉乳の製造工程では、まず良質な生乳から遠心分離機などの技術を用いて乳脂肪分を取り除く。1 その後、残った脱脂乳を加熱殺菌し、濃縮工程を経て水分を蒸発させた後、噴霧乾燥(スプレードライ)などの方法によって微細な粉末状に仕上げる。2 この乾燥工程を経ることで、微生物の繁殖に必要な水分活性が低下し、常温での長期保存に適した形態となる。1

栄養成分の観点から見ると、脱脂粉乳は脂肪がほとんど含まれていない一方で、牛乳由来の良質なタンパク質やカルシウム、ビタミンB群などが濃縮されて含まれている。2 特にカルシウムは骨や歯の形成に不可欠な栄養素であり、脂質を気にせずに効率よく摂取できる食品として重宝されてきた。1 熱量(カロリー)や脂質が低く抑えられているため、健康管理やダイエットを意識した食事においても活用されることがある。2

歴史的および社会的な背景として、脱脂粉乳は日本において戦後の学校給食で栄養改善の切り札として広く普及した経緯を持つ。1 当時は物資が不足する中で貴重なタンパク質源として大きな役割を果たしたが、独特の風味や溶けにくさから、当時の子どもたちの間では苦手意識を持つ者も少なくなかった。2 その後、日本の酪農業の発展や牛乳の供給体制の安定に伴い、学校給食の主役は液体状の牛乳へと移行していった。1

現代においては、そのままの飲用としてよりも、パンや菓子類、アイスクリーム、ハム・ソーセージなどの加工食品の原料や改良剤として幅広く利用されている。2 食品加工の分野では、生地の保水性を高めたり、風合いや栄養価を向上させたりする目的で配合されることが多い。1 また、家庭用の調理や製菓材料としても、スープやシチューのコクを出す隠し味や、手軽にカルシウムを補給できる食材として利用されている。2

参考文献・出典

  1. 農林水産省: https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1810/02.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7
  2. 独立行政法人農畜産業振興機構: https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_000676.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7