ホーム血清トリグリセリド

HEALTH WORDS / 用語解説

血清トリグリセリド

Serum triglycerides

血清トリグリセリドとは、血清中に存在する中性脂肪のことであり、グリセロールに3分子の脂肪酸が結合した構造を持つ脂質の一種である。1

トリグリセリドは食事から摂取されるほか、肝臓でも合成される。小腸から吸収されたトリグリセリドは、コレステロールなどとともにカイロミクロンというリポ蛋白を形成してリンパ管および血流へと移行する。また、肝臓で合成されたトリグリセリドはVLDL(超低密度リポ蛋白)に包まれて血液中へ分泌され、全身の脂肪組織や骨格筋などの組織へと運搬される。脂肪組織においては、エネルギー源としての脂肪酸を貯蔵する主要な形態として機能している。

臨床検査における血清トリグリセリドの測定は、脂質異常症(高トリグリセリド血症など)や動脈硬化性疾患の診断および病態評価において極めて重要な指標として広く用いられている。血中のトリグリセリド濃度が高値を示す状態は、冠動脈疾患や急性膵炎の発症リスクを高める要因の一つとして知られている。高値の原因としては、過食や肥満、アルコールの過剰摂取、運動不足といった生活習慣に起因するもののほか、糖尿病や甲状腺機能低下症、腎疾患などの基礎疾患、さらには特定の薬剤の使用が挙げられる。

採血による検査値は食事の影響を強く受けるため、正確な評価を行うためには原則として空腹時採血(通常は10〜12時間以上の絶食後)が推奨される。食後には一過性に血清トリグリセリド値が上昇するため、空腹時と食後の値の双方を考慮して臨床的意義が検討されることもある。治療および管理においては、食事療法や運動療法による生活習慣の改善が基本となり、必要に応じて薬物療法が導入される。2

参考文献・出典

  1. e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-036.html ↩
  2. 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス: https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/diatetic/hyperlipidemia/ ↩