HEALTH WORDS / 用語解説
ALDH2*1
ALDH2*1
ALDH2*1とは、アルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)の活性型アレル(遺伝子型)であり、正常な酵素をコードする遺伝子型である。1 ヒトの第12染色体長腕(12q24.2)に位置するALDH2遺伝子において、アミノ酸配列の第487番目がグルタミン酸である通常のタンパク質を生成する。2
アルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)は、肝臓などのミトコンドリア内に多く存在する酵素であり、エタノールの代謝物であるアセトアルデヒドを酢酸へと分解する代謝経路において中心的な役割を担っている。3 ALDH2*1のアレルをホモ接合体として持つ個人(ALDH2*1/*1)は、アルデヒド脱水素酵素2の活性が正常に保たれており、アセトアルデヒドを速やかに分解する能力を有している。1
これに対して、ALDH2遺伝子の第487番目の塩基が変異した非活性型のアレルはALDH2*2と呼ばれており、ALDH2*2を持つ個体では酵素活性が著しく低下あるいは消失する。2 東アジア系集団においては、このALDH2*2の遺伝子多型を持つ者が一定数存在することが知られており、ALDH2*1/*2のヘテロ接合体やALDH2*2/*2のホモ接合体では、微量のアルコール摂取であっても顔面紅潮、動悸、頭痛、悪心などのフラッシング反応を引き起こす原因となる。3
一方、ALDH2*1/*1の遺伝子型を持つ人は、一般的に「お酒に強い体質」と表現されることが多く、アセトアルデヒドが体内に蓄積しにくいため、フラッシング反応をほとんど経験しない。3 しかし、ALDH2*1/*1であっても、過度の飲酒を継続した場合には、アルコール依存症や肝障害をはじめとする生活習慣病などの様々な健康障害のリスクが生じるため、適切な飲酒量を維持することが重要である。4
参考文献・出典
- NCBI SNP: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/snp/rs671 ↩1 ↩2
- プレシジョン・メディシン: https://webview.isho.jp/article/detail/precision-medicine-202302-p68 ↩1 ↩2
- 厚生労働省e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-003.html ↩1 ↩2 ↩3
- 厚生労働省e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-001.html ↩