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HEALTH WORDS / 用語解説

抗真菌作用

Antifungal activity

抗真菌作用とは、真菌(カビや酵母など)の発育を抑制したり、これを死滅させたりする性質や働きのことである。1

真菌類は細菌とは異なる真核生物であり、細胞壁の構成成分としてキチンやグルカンを含み、細胞膜の主要なステロールとしてエルゴステロールを持つという特徴がある。2

そのため、多くの抗真菌薬は、細菌に対する抗菌薬とは異なる作用機序を示し、真菌特有の構造や生合成経路を標的として抗真菌作用を発揮する。2

例えば、代表的な抗真菌薬であるポリエン系化合物は、真菌の細胞膜にあるエルゴステロールに結合して膜の透過性を変化させ、細胞内の必須成分を漏出させることで抗真菌作用を示す。3

また、アゾール系の抗真菌薬は、細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの生合成に関与するシトクロムP450依存性のラノステロール14α-脱メチル化酵素を阻害する。4

これによりエルゴステロールの合成が抑制され、真菌の細胞膜機能が障害されるとともに異常なステロールが蓄積するため、結果として増殖が抑制されるという抗真菌作用がもたらされる。4

さらに、キャンディン系(エキノキャンディン系)の抗真菌作用を持つ物質は、真菌の細胞壁の主要な構成成分であるβ-1,3-D-グルカンの生合成を特異的に阻害する。5

細胞壁の合成が阻害されると、浸透圧に対する細胞の安定性が失われ、菌体の形態異常や溶菌を引き起こすことで強力な殺菌的抗真菌作用が発揮される仕組みとなっている。5

臨床医学の領域において、真菌による感染症は表在性真菌症(白癬やカンジダ症など)から、免疫機能が低下した患者などで重篤化しやすい深部真菌症(アスペルギルス症やクリプトコックス症など)まで多岐にわたる。6

これらの真菌症の治療や予防には、それぞれの原因菌の特性や感染部位に適した抗真菌作用を持つ薬剤が選択され、適切な投与量や期間にわたって使用されることが重要である。2

参考文献・出典

  1. e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-041.html ↩
  2. 厚生労働省 薬剤耐性(AMR)対策: https://amr.ncgm.go.jp/general/a-025.html ↩1 ↩2 ↩3
  3. 医薬品医療機器総合機構 添付文書情報: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultPDF/400230_2612001F1036_1_03 ↩
  4. 医薬品医療機器総合機構 添付文書情報: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultPDF/400195_2619002F1023_1_09 ↩1 ↩2
  5. 医薬品医療機器総合機構 添付文書情報: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultPDF/670150_2619400F1020_1_07 ↩1 ↩2
  6. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/448-aspergillus-intro.html ↩