HEALTH WORDS / 用語解説
稗
Barnyard millet
稗とは、イネ科キビ亜科キビ族ヒエ属に分類される一年草の植物であり、古くから穀物として栽培されてきた雑穀の一つである。1
ヒエ属(Echinochloa)に属する植物の総称あるいはその一種であるイヌビエの栽培化されたものを指し、イネ科の作物の中でも特に不良環境に対する耐性が高いという特徴を持っている。2
形態学的には、根は須根をよく発達させ、茎は直立して分けつし、草丈はおおむね数十センチメートルから1.5メートル程度に生長する。1
葉は線状披針形であり、葉身および葉鞘には毛がある場合が多く、花序は数個から多数の総が穂軸に互生または輪生して円錐花序を形成する。2
果実は穎果であり、種子は硬い穎に包まれているが、脱穀・精製することによって食用に供される米粒状の穀粒が得られる。1
栄養学的な成分としては、他の主要な穀類と比較して食物繊維やミネラル類、特に鉄分やカルシウムなどを豊富に含有していることが知られており、健康食品や機能性食品の素材としても注目を集めている。2
また、アレルギー疾患を持つ患者向けの代替食品としての利用価値も検討されており、栄養学および食品科学の分野において多様な研究対象となっている。1
栽培生理学的特性として、稗は冷涼な気候や乾燥、湿害、さらには貧栄養な土壌といった過酷な環境条件に対しても優れた適応能力を示し、気候変動に対する農業のレジリエンスを高める作物としての遺伝資源学的価値も有している。2