筋肉(muscle) †
体を支えたり動かしたりするために必要な組織。筋肉は、筋線維が結合組織で包まれた筋束が複数集まったものが筋膜で包まれた形となっている。*1
出典: 偕成社 ブライアン=R=ワード 作編/横森周信 訳・監修 わたしたちのからだ3 骨格と運動 1983年
筋肉の分類 †
このうち、意志で自由に動かせる筋肉(随意筋)は骨格筋のみ。自律神経によって制御される、血管や内臓の筋肉は平滑筋と呼ばれる。
瞬間的な力を出すための速筋と、持久力があり長期間運動をするための遅筋から構成される。無酸素運動には速筋が、有酸素運動には遅筋が使われる。加齢によって筋肉は減少するが、遅筋は比較的維持されるのに対して速筋が減少しやすい。また、性別では男性の筋肉減少が著しい。*4
筋肉の中央部を筋腹、両端のうち固定されている方を筋頭(起始)、動く方を筋尾(付着または停止)と呼ぶ。
筋頭は分かれて別々の場所に結合する場合がある。その分かれた数によって二頭筋、三頭筋、四頭筋などと呼ばれる。筋腹が腱によって中断されるものは二腹筋と呼ばれる。*5
筋肉の働き †
筋肉には、糖分や水分を保有する効果があることが確認されている。
筋肉は糖分の貯蔵庫としても大きな役割を果たしています。筋肉が萎縮(減少)すると糖分の貯蔵能力が低下するため、食後には血糖が高く、空腹時には血糖が低くなるなど血糖変動が大きくなります。*6
筋肉から生まれる「グルタミン」という物質は、人間の免疫力の源である「リンパ球」を増やす事が分りました。これによって人間の免疫力が高まり、がん細胞をやっつけたり様々な病気になりにくくなると考えられています。また、筋肉は大量の熱を生むため、身体を温め冷え性予防の効果を生んだり筋肉が蓄えた大量の水分のおかげで熱中症になりにくくなると考えられています。*7
4〜5日寝込むと0.2%の筋肉が落ちるというデータがある。*8
適度な筋力トレーニングを行うことで心血管疾患やがん、糖尿病などのリスクが低下し、総死亡や心血管疾患、がんについては週30〜60分の範囲で最もリスクが低く、糖尿病は実施時間が長ければ長いほどリスクが低くなることが報告されている。*9
過度なトレーニング(実施時間が週130~140分を超える)では逆にリスクが増加するとされる。
*2香川大学 医学部・医学系研究科 筋組織: http://www.kms.ac.jp/~anatomy2/Histology11.pdf
*3第三章 Pars peripherica [Systema nervosum periphericum](末梢部[末梢神経系])(C,自律神経系): http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/Textbook/anatomy17c.html
*4サルコペニアにおける骨格筋ミトコンドリア機能と Myokine の意義 杉本研: https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/49/2/49_199/_pdf
*5慶應義塾大学医学部解剖学教室内 船戸和弥 第三章 MYOLOGIA(筋学)(A,総論): http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/Textbook/anatomy3a.html
*6DM-CTG|筋強直性ジストロフィーの多臓器症状 | 代謝障害: http://plaza.umin.ac.jp/~DM-CTG/dm6-5.html
*7結果にコミットー!効果2倍の筋肉UP術 - NHK ガッテン!: http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20160420/
*8寝たきり老人になりたくないなら大腰筋を鍛えなさい 10歳若がえるための5つの運動 [久野譜也]
*9ムキムキを目指すだけが筋トレではない。 | 研究成果 | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY): https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/731
ご意見・ご要望をお聞かせください。
この用語を編集/画像添付