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HEALTH WORDS / 用語解説

東洋医学

東洋医学とは、中国を発祥とし、日本などで独自に発展した伝統医学の総称であり、気・血・水といった概念や陰陽五行説を基礎として生体のバランスを重視する医学体系である。1 東洋医学では、疾病を個別の器官の異常のみとして捉えるのではなく、心身全体の調和の乱れとして把握する特徴がある。2

東洋医学の歴史的背景として、古代中国において自然哲学と経験的な医療行為が融合して成立したとされる。1 その後、数千年にわたり漢方医学、鍼灸、推拿などの様々な治療法へと体系化されてきた。1 日本においては、飛鳥時代から奈良時代にかけて中国大陸や朝鮮半島から伝来し、日本の気候風土や日本人の体質に合わせて独自の進化を遂げた歴史を持つ。2

東洋医学における基本的な生理観および病理観には、いくつかの重要な概念が存在する。 その代表的なものが陰陽五行説であり、自然界のあらゆる事象や人体の機能を「陰」と「陽」の対立・調和、および木・火・土・金・水の5つの要素の相生・相克関係によって説明する。1 また、生命活動の根源である気、栄養を運び全身を巡る血、そして体内の水分代謝を司る水(津液)の三つの要素が体内を循環し、過不足なくバランスを保つことで健康が維持されると考えている。1 これらの気・血・水の巡りや量に異常が生じたり、五臓六腑の機能失調が起きたりすることが、病気や不調を引き起こす原因になるとされている。1

東洋医学の診断方法には、独自の四診と呼ばれるアプローチが用いられる。 四診とは、望診(視覚によって顔色や体型、舌の苔などを観察する)、聞診(聴覚や嗅覚によって声の調子や呼吸音、体臭などを聞き取る)、問診(患者の自覚症状や生活習慣、病歴などを詳しく聞き出す)、切診(直接身体に触れ、脈拍を診る脈診や腹部を触れる腹診を行う)の4つの手法を指す。2 これらの情報を総合的に分析し、患者一人ひとりの証(その時点における身体の反応状態や不調の本質)を見極めた上で治療方針が決定される。1

東洋医学における治療法は多岐にわたり、代表的なものとして漢方薬を用いた薬物療法や、経穴(いわゆるツボ)に対して鍼や灸を用いる鍼灸療法がある。1 漢方薬は、単一の成分ではなく複数の生薬を特定の配合比率で組み合わせることにより、身体全体のバランスを整え、自然治癒力を高めることを目的として処方される。1 また、鍼灸療法では、経絡と呼ばれるエネルギーの通路や経穴を刺激することで、疼痛の緩和や自律神経系の調節、免疫機能への働きかけが行われる。1 近年では、西洋医学の高度な医療技術と東洋医学の伝統的な療法を統合し、患者のQOL(生活の質)の向上や慢性疾患の治療、予防医学の分野において共同で活用される取り組みが進められている。2

参考文献・出典

  1. 厚生労働省eJIM: https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/09.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10
  2. 国立国会図書館サーチ: https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I023881476-00 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4