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HEALTH WORDS / 用語解説

胃部不快感

Gastric discomfort

胃部不快感とは、胃のあたりに感じられる、痛みとは異なる不快な感覚の総称である。1

消化器症状の一つとして広く知られており、上腹部の違和感や重苦しさ、張った感じなど、患者によって表現される感覚は多岐にわたる。2

胃部不快感は、日常生活における様々な要因によって引き起こされることがある。1

その主な原因としては、暴飲暴食や刺激物の過剰摂取、脂肪の多い食事、アルコールやカフェインの摂りすぎなどが挙げられる。1

また、これらに加えて、喫煙や運動不足、不規則な生活リズムも消化器系の機能に悪影響を及ぼす要因となる。1

さらに、現代社会において大きな問題となっている精神的ストレスや不安、緊張、疲労なども、自律神経系を介して胃の運動機能や知覚機能に異常をきたし、胃部不快感を誘発する重要な要因として知られている。2

医学的な背景として、胃部不快感は単なる一時的な消化不良にとどまらず、様々な消化器疾患の初期症状や主要な兆候として現れることがある。2

代表的な疾患の一つに機能性ディスペプシアがあり、これは胃の器質的疾患、すなわち内視鏡検査などで胃潰瘍や悪性腫瘍などの目に見える病変が認められないにもかかわらず、胃部不快感や胃もたれ、早期飽満感、心窩部痛などの上腹部症状が慢性的に持続する病態である。2

その他にも、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃食道逆流症などの器質的疾患によっても同様の症状が生じる場合がある。2

胃部不快感の診断と評価においては、まず詳細な問診が行われ、症状の持続期間、食事との関連性、生活習慣、服薬歴などが慎重に確認される。2

器質的疾患や悪性腫瘍などの危険な病態を除外するため、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)や腹部超音波検査などの画像診断、必要に応じて血液検査が実施される。2

胃部不快感の治療法は、その背後にある原因や診断された疾患に応じて多角的に選択される。2

基本的には、食事療法や運動療法をはじめとする生活習慣の改善が治療の土台となる。1

食生活においては、脂っこい食事や香辛料などの刺激物を控え、暴飲暴食を避けて規則正しく食事をとることが推奨される。1

また、禁煙や適度な運動、十分な睡眠によって生活リズムを整えることも重要である。1

精神的ストレスが関与している場合には、ストレスマネジメントや心理療法が取り入れられることもある。2

薬物療法としては、症状や病態に合わせて様々な薬剤が用いられる。2

例えば、胃酸分泌過多が疑われる場合にはプロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2受容体拮抗薬が処方され、胃の運動機能低下や胃もたれが主体である場合には消化管運動機能改善薬(プロキネティクス)が使用される。2

さらに、知覚過敏や精神的要因が強く影響しているケースでは、抗うつ薬や抗不安薬が補助的に用いられることもある。2

胃部不快感は日常的に経験されやすい軽微な症状である一方で、持続する症状や体重減少、吐血、黒色便などの警戒すべき症状(アラーム症状)を伴う場合には、重篤な疾患が隠れている可能性を考慮し、速やかに医療機関を受診して専門的な検査を受ける必要がある。2

参考文献・出典

  1. e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-079.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7
  2. 日本消化器病学会: https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/fd.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13