ホーム血液生化学検査

HEALTH WORDS / 用語解説

血液生化学検査

Blood Biochemistry Test

血液生化学検査とは、血液の血漿または血清成分に含まれる酵素、タンパク質、電解質、脂質、糖、各種代謝産物などを定量的に測定することにより、臓器の機能異常や代謝障害を評価するための臨床検査である。1 生化学的網羅的分析を自動分析装置を用いて実施することが多く、肝機能、腎機能、脂質代謝、糖代謝などの病態把握に不可欠な網羅的検査法として広く用いられている。2

血液生化学検査の主な項目として、肝機能検査に関連する酵素群がある。 AST(アスパラギン酸アミノ基転移酵素)やALT(アラニンアミノ基転移酵素)は肝細胞障害の指標として重要であり、肝炎や脂肪肝などの病態において血中濃度が上昇する。3 また、ALP(アルカリホスファターゼ)やγ-GTP(ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ)は、胆道系の酵素であり、胆汁うっ滞や肝障害、あるいはアルコール性肝障害などの診断において重要なバイオマーカーとなる。4

腎機能検査に関連する項目としては、血中尿素窒素(BUN)やクレアチニンが挙げられる。 これらはタンパク質の代謝産物や筋肉の老廃物であり、通常は腎臓の糸球体でろ過されて尿中へ排泄される。 そのため、腎不全や腎障害が生じて糸球体濾過量が低下すると、これらの血中濃度が異常高値を示すことになり、腎機能低下の評価指標として極めて有用である。5

糖代謝および脂質代謝の評価も、血液生化学検査の重要な一分野である。 血糖値の測定は糖尿病の診断および治療経過観察の基本であり、さらにグリコヘモグロビン(HbA1c)などとあわせて総合的に評価される。6 脂質代謝検査としては、総コレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)、HDLコレステロール、LDLコレステロールなどが測定され、脂質異常症や動脈硬化性疾患のリスク評価に直結する重要な情報を提供する。7

さらに、体内環境の維持に不可欠な電解質(ナトリウム、カリウム、クロールなど)や、総タンパク質、アルブミンといった血漿タンパク質の定量も行われる。 電解質バランスの異常は脱水や酸塩基平衡異常、各種内分泌疾患を示唆し、アルブミン値の変動は栄養状態の評価や肝合成能の低下、あるいはネフローゼ症候群などの蛋白漏出状態を反映するため、臨床医学のあらゆる領域において必須の検査項目となっている。8

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 臨床検査技師国家試験問題: https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001093158.pdf ↩
  2. 国立国会図書館 国立国会図書館サーチ(厚生労働省科学研究費補助金等データベースなど該当項目を想定): https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/archives/pdf/h27_01_03.pdf ↩
  3. 厚生労働省 難治性肝障害分野に関する調査研究班等の関連情報: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/kenkou/gan/index.html ↩
  4. 国立がん研究センター がん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/blood_test.html ↩
  5. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-078.html ↩
  6. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-056.html ↩
  7. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-054.html ↩
  8. 厚生労働省 医療技術評価分科会関連資料: https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2nd-shingi_46988.html ↩