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HEALTH WORDS / 用語解説

MEOS

MEOSとは、Microsomal Ethanol Oxidizing Systemの略称であり、日本語ではミクロソームエタノール酸化系と呼ばれる酵素系である。1 主として肝臓の小胞体(ミクロソーム)に存在する酵素群によって構成されており、アルコール代謝に関与する主要な経路の一つとして知られている。1

人間の体内におけるアルコールの代謝経路としては、主に胃や肝臓に存在するアルコール脱水素酵素(ADH)を介する経路が広く知られている。1 しかし、日常的に多量のアルコールを摂取する習慣がある者や、血中のアルコール濃度が非常に高くなった状態においては、このADH経路だけでは処理しきれなくなる。1 そのような場合に、このMEOSが活性化され、エタノールの酸化分解を代償的に担うようになるという特徴を持っている。1

MEOSの中心的な役割を担っているのは、シトクロムP450(CYP)という酵素スーパーファミリーの一部であるCYP2E1である。1 CYP2E1は、エタノールの存在下や慢性的な飲酒によってその量や活性が誘導される(増加する)性質がある。2 そのため、常習的な飲酒者は非飲酒者に比べてMEOSによるアルコールの代謝速度が早くなることが知られており、これが耐性(酒に強くなる現象)が形成されるメカニズムの一つとなっている。1

また、MEOSによる代謝は、通常のADH経路とは異なり、エネルギー通貨であるATPを消費する反応であることも大きな特徴である。1 さらに、MEOSが稼働する過程やCYP2E1の触媒作用においては、活性酸素種(ROS)などのフリーラジカルが産生されやすい。3 過剰な活性酸素は細胞や組織に酸化ストレスを与え、肝障害をはじめとする様々なアルコール性肝疾患の進展に関与していると考えられている。3

加えて、MEOSの構成要素であるシトクロムP450(特にCYP2E1)は、エタノールだけでなく、一部の医薬品や化学物質、発がん物質などの代謝にも関与している。1 慢性的な多量飲酒によってMEOSが誘導されている状態では、これら特定の薬物の代謝速度も変化するため、薬物動態への影響や副作用の発現リスクが変わるなどの臨床的な相互作用を引き起こす要因としても重要視されている。1

参考文献・出典

  1. 厚生労働省e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-003.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10
  2. 厚生労働省e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-003.心の健康とアルコール: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-001.html ↩
  3. 厚生労働省e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-001.html ↩1 ↩2