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HEALTH WORDS / 用語解説

フォスファチジルコリン

Phosphatidylcholine

フォスファチジルコリンとは、グリセロールのヒドロキシ基に2分子の脂肪酸と、リン酸を介してコリンが結合した構造を持つリン脂質の一種である。1

フォスファチジルコリンは、一般にレシチンという名称でも呼ばれることがあり、生体膜の主要な構成成分としてあらゆる細胞の生体膜に広く分布している。1

細胞膜の二重層において、フォスファチジルコリンは流動性や完全性を維持する上で極めて重要な役割を果たしており、膜結合タンパク質の機能発現やシグナル伝達の場としても機能している。2

構造的には、極性ヘッドグループとして親水性を示すコリンおよびリン酸部分と、疎水性を示す脂肪酸鎖を併せ持つ両親媒性分子である。1

この両親媒性という物理化学的性質により、水環境中においてリポソームやミセルといった脂質二重膜構造を自発的に形成する特性を有しており、薬物送達システム(DDS)のキャリアとしても応用されている。2

生体内における代謝においては、フォスファチジルコリンはホスファチジルエタノールアミンのメチル化経路や、コリン経路といった複数の生合成経路を通じて肝臓などで産生される。3

また、肝臓における脂質代謝やコレステロールの輸送、さらにはVLDL(超低密度リポ蛋白)の形成および分泌に対しても必須の成分として関与している。3

さらに、肺の肺胞表面においては、肺胞の表面張力を低下させて虚脱を防ぐ肺サーファクタントの主要な活性成分としても機能しており、呼吸運動の維持に不可欠な役割を担っている。2

神経系においては、神経伝達物質であるアセチルコリンの前駆体としての供給源や、神経細胞の膜構造の維持・修復に関連する代謝回転の基質としても重要視されている。1

食品や医薬品の分野においては、大豆や卵黄などから抽出・精製され、乳化剤や安定剤、あるいは栄養補助食品の有効成分として幅広く利用されている。1

参考文献・出典

  1. eJIM 厚生労働省: https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/lecith.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. 国立情報学研究所 CiNii Research: https://ci.nii.ac.jp/naid/110003649065 ↩1 ↩2 ↩3
  3. J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys/50/2/50_2_076/_article/-char/ja/ ↩1 ↩2