コラーゲン(collagen)

動物の体内で最も多いタンパク質細胞外基質のひとつ。身体を構成する全タンパク質の約30%を占める。皮膚角膜では水分を除いた分の80%程度を占める。*1

皮膚軟骨血管などに分布し、細胞外基質において組織に力学的強度や柔軟性を与えたり、細胞同士を接着したりする。また、細胞間の情報伝達や細胞の増殖にも関与することが知られる。*2

コラーゲンはポリペプチド鎖(これをα鎖と呼ぶ)が3本捻れた螺旋構造を作っており、この構造により酵素などによる分解を受けにくくなっている。この構造はトロポコラーゲンと呼ばれ、これが集合してコラーゲン繊維となる。

また、このポリペプチド鎖を構成するアミノ酸は、グリシンが全体の1/3を占め、プロリンも多く含まれる。他のタンパク質にはないヒドロキシプロリンヒドロキシリジンが含まれるのが特徴である。*3*4*5

ヒドロキシプロリンの種類は主に4-ヒドロキシプロリンである。3-ヒドロキシプロリン5-ヒドロキシリシンも含まれるが、含まれる量は少ないとされる。*6

経口摂取されたコラーゲンは分解され、グリシンプロリンヒドロキシプロリンに分かれるが、ヒドロキシプロリンは吸収されずに排泄される。*7

2011年に行われた、コラーゲンペプチドをラットに摂取させた場合の皮膚合成および新規コラーゲン合成への影響に関する実験では、食品から摂取したコラーゲンが新たなコラーゲン合成に関与することを示唆する結果が報告されている。

非常に興味深いことに、回復一日後に、コラーゲン食を与えた群では塩化ナトリウム可溶性のコラーゲンの有意な上昇が見られた。この結果は、コラーゲンを摂取することで、コラーゲンを産生する機能を持つ皮膚繊維芽細胞が活性化していることを示唆する。*8

コラーゲンの経口摂取効果には様々な疑問点が残っていたが、本研究で、経口摂取したコラーゲンが生体内の消化酵素によって分解され、そのペプチドアミノ酸の血中濃度が増加した場合、軟骨皮膚、さらに内分泌器官ともいわれている脂肪細胞にも効果的に作用することが判明し、細胞培養系でのコラーゲンの経口摂取の有効性が示唆された。*9

コラーゲンの利用

ゼラチンを材料として、酵素処理によって低分子化を行い、消化吸収性を高めた加工物としてコラーゲンペプチドと呼ばれる機能性表示食品が販売されている。

ゼラチンはコラーゲンが主成分である。

ヒトと他の哺乳類のコラーゲンはほとんど同じアミノ酸配列を持っているため、ヒト以外のコラーゲンを医療用に用いたとしても拒絶反応が起こらないことが知られている。*10

コラーゲンの種類

ヒトには29種類のコラーゲンが存在するとされる。*11

臓器の違いによってコラーゲン分子も異なることが確認され、発見された順に番号がつけられている。*12

生体内では繊維を形成するコラーゲン(繊維性コラーゲン)が最も多く、以下の種類がある。

*1池田洋一郎の部屋 創傷治癒の機序: http://plaza.umin.ac.jp/~ikeda/BST_plastic1.htm
*2国立大学法人 秋田大学 親子でサイエンス2011 女性研究者による コラーゲン研究の最前線: http://www.akita-u.ac.jp/coloconi/h23pdfimg/h23.12.23.pdf
*3宇都宮大学 生物生産科学科 応用生物化学コース ラット皮膚創傷回復に対するゼラチン酵素水解物摂取の効能: https://uuair.lib.utsunomiya-u.ac.jp/dspace/bitstream/10241/7659/1/22-1-rat.pdf
*4コラーゲンペプチド経口摂取による皮膚角層水分量の改善効果 | AgriKnowledge: http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010771147.pdf
*5鹿児島大学理学部生命化学科生化学研究室 細胞外マトリックス成分の構造と機能: http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/~arima/collagen%20text.pdf
*6福岡大学 理学部 機能生物科学研究室 細胞接着分子: http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/adhmol.htm
*7技術評論社 石浦章一 タンパク質はすごい! 心と体の健康を作るタンパク質の秘密(2014/1/5)
*8宇都宮大学 生物生産科学科 応用生物化学コース ラット皮膚創傷回復に対するゼラチン酵素水解物摂取の効能
*9北海道大学 農学部/大学院農学院/大学院農学研究院 軟骨コラーゲン分解物が間葉系の培養細胞に及ぼす影響 安倍恵 食品素材開発学分野: http://www.agr.hokudai.ac.jp/gs/master/2009/09001002.pdf
*10サイエンスセミナー「体のなかのコラーゲンの役割 〜コラーゲン研究からわかること(マンモスを例にとって)〜」株式会社ニッピバイオマトリックス研究所長 服部俊治: http://www.akita-u.ac.jp/coloconi/h22pdfimg/h22.12.24.pdf
*11国立大学法人 秋田大学 親子でサイエンス2011 女性研究者による コラーゲン研究の最前線
*12千葉大学大学院医学研究院・医学部 :: 第22回: http://www.m.chiba-u.ac.jp/cooperation/web_lecture/info_1_23.html/

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このページの最終更新日時: 2018-09-09 (日) 08:38:33