HEALTH WORDS / 用語解説
コメ
コメ(米)とは、イネ科の植物であるイネ(Oryza sativa)の実(種子)から果皮や種皮などを取り除いた玄米を、さらに精米した可食部であり、世界人口の半数以上にとって重要な主食である穀類の総称である1。 コメの歴史は非常に古く、アジアの熱帯から亜熱帯地域において野生種からの馴化が行われたと考えられており、日本においても縄文時代または弥生時代には栽培が開始され、長きにわたって人々の生活や文化、経済の基盤を形成してきた作物である2。 植物学的な分類において、コメは単子葉植物綱イネ目イネ科イネ属に属する一年草の作物であり、世界中で広く栽培されているアジア栽培稲(Oryza sativa L.)は、デンプンの組成や粒の形状などの違いから、大きくジャポニカ種(日本型)とインディカ種(インド型)の2つの主要な亜種に大別されるほか、ジャバニカ種(ジャワ型)を加えた分類がなされることもある3。 栄養学的観点から見ると、コメの主要な成分は炭水化物であり、その大部分はデンプン(アミロースとアミロペクチン)で占められており、これがエネルギー源として重要な役割を果たしている4。 デンプン以外の栄養素としては、タンパク質や脂質、ビタミンB1、ビタミンE、食物繊維、ミネラルなどが含まれており、特に胚芽や糠(ぬか)の部分に多くの栄養成分が偏っているため、精米の度合いによって含まれる栄養素の量が大きく変動する特性を持つ5。 例えば、玄米の状態では白米と比較してビタミン類やミネラル、食物繊維が豊富に残存しているのに対し、精米して白米に加工する工程ではこれらの成分の多くが失われるため、精製度の異なる米製品を組み合わせることは栄養バランスの維持において重要な意味を持つ6。 コメの加工品や調理法も多岐にわたっており、炊飯したご飯としてそのまま食用に供されるほか、米粉に加工されてパンや麺類、菓子類の原料として利用されたり、発酵技術を用いて日本酒や味醂、酢などの醸造酒や調味料の生産に用いられたりするなど、食品加工業や伝統産業においても欠かすことのできない素材となっている7。 近年では、食生活の多様化や健康志向の高まりに伴い、血糖値の急激な上昇を抑える低GI食品としての特性や、アレルギー疾患に対応したグルテンフリーの食材としての機能性が改めて注目を集めており、品種改良によってアミノ酸やギャバ(GABA)などの機能性成分を強化した高機能米の開発も進められている6。 このように、コメは単なる熱源としての栄養供給源にとどまらず、食料安全保障の観点や農業生態系の維持、さらには多様な食文化の根幹を支える極めて重要な生物資源および農産物である8。
参考文献・出典
- 農林水産省: https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0101/01.html ↩
- 国立歴史民俗博物館: https://www.rekihaku.ac.jp/ ↩
- 農業・食品産業技術総合研究機構: https://www.naro.go.jp/ ↩
- 文部科学省: https://www.mext.go.jp/ ↩
- 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/ ↩
- 農林水産省: https://www.maff.go.jp/ ↩1 ↩2
- 国税庁: https://www.nta.go.jp/ ↩
- 内閣府: https://www8.cao.go.jp/ ↩